
火群のごとく
あさの あつこ
2010年5月17日
文藝春秋
1,650円(税込)
小説・エッセイ
凛々しく、まばゆい、一瞬の季節。何者かに兄を殺された林弥は仲間とともに運命に立ち向かう。葛藤を越え成長する少年剣士たちを描く傑作。
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(無題)
どう言うわけか、今まで、あさの作品を読んだことがなかった。積極的に避けていたつもりは全くないのだが、『バッテリー』の印象が強すぎて私のような年寄りには無縁の作家と思い込んでいたようだ。本書を読んでいる最中に、随分と古風な表現をする人だなと思い調べてみると、1954年生まれとある。私と同世代と言っていい年齢であることに驚いた。 さて、本書であるが、一人の少年剣士が大人になっていく過程が生き生きと描かれている。少年特有の憂いあるいは友情、1番の関心ごとかもしれない女性への憧れなどがみずみずしく描かれている。主人公は、小舞藩の同じ剣術の道場に通う仲間たち和次郎、源吾、林弥、そして透馬である。林弥は幼い頃父をなくし、15歳上の兄、結之丞に5歳のときから剣の手ほどきを受けた。兄の結之丞は剣の達人だった。その兄が刀を抜くこともなく、後ろから背中を切られて暗殺されるところから物語が始まる。犯人の手がかりはなく、兄嫁と母を支えながら一家の長として成長していく林弥。そんな中、謎に満ちた少年剣士が道場でも名うての剣士、野中と立ち合う場面に遭遇する。少年剣士・透馬の並外れた剣の技に林弥は、魅了されるのだった。透馬は筆頭家老の庶子で、江戸藩邸育ちだった。林弥の兄・結之丞が江戸出仕中、剣の道で師弟の契りを結んでいたのだった。言わば兄弟弟子となるが、二人とも内に秘めた才能を敏感に感じ取り、束の間の友情を通じ合うのだった。そして、剣の師・結之丞の斬殺究明へと向かうのは、当然のことであった。次第に明らかになって来るのは、無垢な元服前の少年とは異質な大人の政治の世界であった。
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