刑務所の王

井口俊英

2000年8月31日

文藝春秋

2,095円(税込)

小説・エッセイ / 人文・思想・社会

1995年夏、世界を揺るがした大和銀行巨額損失事件で、米司法当局に逮捕された私。殺伐とした拘置所の中、独房で隣り合わせになった白人の男が物静かな声で私に話しかけてきた。ニーチェを愛し、マクベスを諳じるその初老の紳士は、「見えない帝国」アーリアン・ブラザーフッド(AB)の創始者だったー。全米の刑務所内の麻薬ビジネス、ギャンブル、殺人、全てがABの掌握下にあった。

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