はじめての文学 川上弘美

不思議な世界観。シュールレアリスムとはこういった作品を言うのだろう。 ふわふわしていて、作者の意図は理解はできない。けれど、なぜか小説にでてくる世界が楽しくて、ページをめくってしまう。 ストーリーもあるようで、ない。そこに意味を見出す必要はない。 小川洋子に似ているようで、似ていない。川上弘美は何も示唆していない。 「くまが誘ってきた意味は？」「なぜオレンジの皮をあげたの？」など考えたら負けである。 特に意味を考えず、頭を空っぽにして楽しむのが良いのではないか。 作者があとがきで書いている。「小説は自由だ」。まさに、小説は自由だ、と思わせてくれる作家だ。

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