
四人組がいた。
高村 薫
2014年8月11日
文藝春秋
1,650円(税込)
小説・エッセイ
「高村薫、ユーモア小説に挑む」 この村では、何だって起きるーー。 元村長、元助役、郵便局長、そしてキクエ小母さん。 古ダヌキのような四人の老人が関わると、 村の小さな騒動も、AKB48から少子高齢化まで縦横無尽。 儲け話と、食い物に目のない老人たちは、 集会所に集まっては、日がな一日茶飲み話を。 だがそこへ、事情を知ってか知らぬか、珍客がやって来る。 テレビクルーに、タヌキのアイドルユニット、元アイドルの出家、 はたまたキャベツは大行進。最後に、閻魔様まで!! 「ニッポンの偉大な田舎」を舞台にした、ブラックユーモアに満ちた奇想天外の十二編。 現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、 今の日本を、地方からユーモアとシニカルを交えて軽妙に描き出す。
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(無題)
高村薫はこんな小説も書くのか。これが本書を読み始めた時に抱いた感想である。何しろ、私の中にいる高村薫は少々めんどくさいところのある本格社会派小説家なのだから。ところが本作は、ユーモア小説である。それも飛びっきり重いブラックユーモアである。 町村合併で市に昇格した過疎地の元村長、元助役、元郵便局長、そしてキクエ小母さんの老人四人組が織りなす日常、そう聞けば、ゆったりと流れゆく時間と変化に乏しい地域社会が想像されるが、この4人の周りにはとんでもない人々が登場し、奇想天外な物語が展開される。気球を使ったモダンアーティスト、若い保険外交員の娘、小学校の生徒、町史編纂する役場の職員、テレビクルーに女優、挙げ句の果てには閻魔大王や弥勒菩薩まで登場して極楽ツアーに地獄ツアーだって。しかし、そこには都市と地方の格差やら老人差別 と言った社会風刺が込められて、それがピリリと香辛料のごとく効いている。
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