西洋菓子店プティ・フール
千早 茜
2016年2月12日
文藝春秋
1,485円(税込)
小説・エッセイ
頑固なじいちゃんと職人肌のパティシエールが営む下町の洋菓子店にようこそ。重箱の秘密は至上の宝石。スイーツに彩られた六つの物語。
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(無題)
プティ・フール。それは、昭和感漂う町のケーキ屋さん。亜樹は、プティ・フールの店主の孫であり、フランス人シェフのいるパティスリーを辞め、プティ・フールで働いている。 亜樹の高校生時代の同級生珠香、婚約者の祐介、パティスリーの後輩澄孝、ネイリストのミナ、皆それぞれに仕事と恋を抱え生きていく。 ひとりひとり、悪人もいなければものすごくかっこいい人もいないし、恋が華麗に実ることもないのだけれど、地に足をつけてきちんと生活を送っている登場人物たちに気がつくと感情移入してしまう、そんな物語だった。 ストレスをスイーツを食べて吐くことで解消している美佐江がじいちゃん(亜樹の祖父)に言われる p.124 「嗜好品ってのは、はけ口の対象になりやすい。けれどね、どんな食べ物も口にする人の幸せを願って作られているんです。だから、楽しく味わってやって欲しい」 がぐっときた。はけ口の対象、ね。これは娯楽すべてに言えるんだろうなあ。 「かわいいもの」を追求するミナの言葉も響く。 p.166 ほんとうはわかっている。服やネイルやスイーツにお金をかけることを無駄だと思う人はいる。そういう人たちからは逃げられても、自分の年齢にはいつか捕まってしまう。女の子でいられる時間はもうわずかしかない。好きなものをふわふわと追っかけてばかりはいられない。ファッションにかけたお金や時間を後悔する日がくるのかもしれない。 でも、そんな「なくてもいいもの」にあたしは今まで生かされてきた。それがあたしを強くしてくれた。スミが好きな女の人みたいにはなれないけれど、あたしにはあたしだけの世界があって、そのおかげで今こうして立っている。自分を卑下しても、自分が好きになったものを否定しちゃダメだ。
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