音の記憶 技術と心をつなげる

小川 理子

2017年2月27日

文藝春秋

1,485円(税込)

小説・エッセイ / 科学・技術

◆パナソニック女性役員の手記◆ 日本の会社で働く全ての女性に贈る 働くこと、愛すること、継続すること。 かつて松下電器にはソニーに匹敵する自由なる研究所があった。 1986年に入社した私は、その音響研究所に配属され 栄光のブランド「テクニクス」の様々な発展形の技術・商品を開発する。 人には大切な「音の記憶」がある。その感情を技術が喚起する。 そんな商品をめざし、うちこんだ青春の日々は、 8年目でプロジェクト解散、配置転換で雲散霧消したかに見えた。 失意の中で始めたジャズ・ピアノで世界的な評価を受ける。 「君はパナソニックのトップにはなれないが、プロとしては成功する」 そうアメリカのプロデューサーに言われ、心は揺れるが……。 【目次】 ■序章 音の記憶 二〇一四年九月ベルリン。私は消えたブランド「テクニクス」復活をパナ ソニックの責任者として宣言した。この本では、私が「会社員として」 「ピアニストとして」二足のわらじで、いかに音に懸けてきたかを語りたい ■第一章 全ての生き物にはリズムがある 母親のお腹の中で聴いた『赤い靴』と『春よ来い』。なぜこれらの曲が特 別な感情を呼び起こすのだろう。理工学部へ進学した私は、聴覚や生体の リズムを研究する。そして就職を考える中、運命的な一本の論文に出会う ■第二章 就職まで 「これからの時代は違うんちゃうかなあ」。松下電器で音響の仕事がしたい と会社訪問すると大学の先輩から「志望業界を変えなさい」と諭された。C Dなどデジタルオーディオが誕生し、音響事業は激変の時を迎えていたのだ ■第三章 自由なる研究所 それでも松下電器を選んだ私は念願通り「音響研究所」に配属された。 「感性を活かし世の中にないものを作りなさい」という所長小幡修一のもと、 金管楽器型スピーカー、超薄型スピーカーとユニークな製品を生み出す ■第四章 汐留の輝ける青春 ウィーンのオペラ座に採用された超薄型スピーカー。世界的な評価を得た 技術を使って住空間を変えるプロジェクトが始まった。壁一面スピーカー という前代未聞のホールづくりは、二〇代を懸けるに相応しい挑戦だった ■第五章 失意のプロジェクト解散 三〇歳のとき転機が訪れる。全速で走ってきたプロジェクトが一瞬にして 終わったのだ。薫陶を受けてきた所長の小幡も去った。会社を辞めようか と悩んでいると上司の木村陽一から誘われた。「ジャズ、やってみないか?」 ■第六章 オール・ユー・ニード・イズ・ジャズ 曽根崎の老舗ライブパブ、ピアノとドラムだけのデュオで初舞台を踏んだ。 仕事をしながら毎月のステージに立ち、ジャズにのめり込んだ。七年後、 本場米国での国際ジャズフェ

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(1

starstarstar 3

読みたい

1

未読

0

読書中

0

既読

2

未指定

7

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー

レビューはありません

Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください