奈緒と私の楽園

藤田 宜永

2017年3月24日

文藝春秋

1,848円(税込)

小説・エッセイ

「あなたを子供に戻してあげたい」。男が絶対に認めたくない欲望を直視した衝撃作。 50歳の音楽プロデューサー、塩原達也のもとを突然訪ねてきた29歳の奈緒。奈緒はセックスは苦手と言いながら、年上の俳優と不倫経験があり、男友達とも二人で旅行に出かけひとつのベッドに寝てしまう。理解できない奈緒の言動に、やがて達也は心を奪われるが、彼女が望んだ性のありようは、全裸で絵本を読み聞かせ子守唄を歌うことだった……。 幼児扱いされることに反発を覚えた達也だが、奈緒の甘美な毒に染められ、精神が退行する快楽に囚われてしまう。最後に達也を待つのは天国か、地獄か。 「気持ち悪い」「いやよくわかる」。『オール讀物』連載時から議論沸騰。作家で芥川賞選考委員の島田雅彦氏が、「これを読み、ヘタレを極める気になった」と絶賛する、誰にも書けなかった“純愛小説”。

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