宇喜多の楽土

木下 昌輝

2018年4月26日

文藝春秋

1,870円(税込)

小説・エッセイ

秀吉の寵愛を受けた俊才・宇喜多秀家。絶体絶命の関ヶ原。心優しきリーダーの選択とは。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

作者のデビュー作「宇喜多の捨て嫁」が面白かったので続編を手に取ってみた。前作で父親が権謀術数の限りを尽くして築いた五十万石超を若くして引き継いだ息子を主人公に据えた本作。強大な隣国毛利に対抗するため秀吉の傘下に入り秀吉の養女である前田利家の娘と結婚し果ては大老の一人に取り立てられるなど外向きの栄達の裏で味わう苦悩が描かれている。全体的には心優しく英邁な主人公が父親が目指した流浪の民も安心して暮らせる楽土を実現するために苦悩し続けた様が好意的に描かれている。史実を踏まえるといろいろ突っ込みどころはあるものの小説としては優れていて面白かった。それにしても関ヶ原で西軍の主力として戦った結果、八丈島に流された宇喜多一族を縁が切れたにも関わらず明治になるまで支援し続けた前田家は立派。

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