
東芝 大裏面史
FACTA編集部
2017年5月29日
文藝春秋
1,650円(税込)
科学・技術
経済産業省は原子力発電を輸出することによって国を繁栄させる 「原発ルネッサンス」という政策を省是とした。 東芝は、その大きな政策の流れの中、米国の原子力大手、 ウェスチングハウスを三菱重工業が提示した額を遥かに上回る54億ドルで買収する。 しかし、3・11の福島原発事故で、東芝が作った3号機もメルトダウン。 それを機に原発事業は先進国のみならず、新興国でも存亡の淵に立たされる。 すでに死んでいるはずの東芝が、まだ生き長らえているのはなぜか? そこには、日本の核燃料サイクルを維持させるための経産省の深謀があった。 プロローグ 二つのデンキヤーー本書の成り立ち 第一章 経産省にババを引かされた 東芝「第二の減損」の戦犯 東芝崩壊の鍵は、安倍政権を担う経産省の原子力マフィアが握っていた。その全貌とは。 第二章 原発ビジネスへの傾注 2008〜2011年 1 西田神話の化けの皮 集中投資が裏目に出て株価は急落の一途。「選択と集中」が負のスパイラルに陥った。 2 自己資本が危ない 西田社長が退任。5000億円超の繰り延べ税金資産という厳しい財務は予断を許さず。 3 原発ビジネスが視界不良 新興勢力の台頭で原発の受注競争は劣勢に。得体の知れないベンチャー企業まで現れた。 4 USEC出資の深謀 ウラン濃縮の米大手会社との提携決断で、ロシア、アメリカとの関係性は変わったのか。 5 原発大国ニッポンは過去の幻影 海外に広がる日本の技術力への疑念。原発ビジネスの地盤沈下は既に始まっていた。 6 特許庁汚職に浮かぶ「東芝」と「二階」 特許庁のシステム入札・受注は、ウェスチングハウス買収の見返りだったという可能性。 7 原発「日の丸連合」に乗り遅れる三菱重工 ベトナムの原発建設を請け負う過程において、各社と経産省との関係性が如実に表れた。 第三章 上層部の暗闘 2012〜2015年 8 ウェスチングハウス社長を解任 誇り高きモンロー主義と格闘5年。ついに首をすげ替え、福島原発事故後の逆風に抗う。 9 西田会長vs.佐々木社長が冷戦 会長を差し置き、社長が経済財政諮問会議のメンバー入り。暗闘はますます激化した。 10 晩節汚す会長の仕返し人事 経団連会長の目が消えた西田。頭の中には自社の成長のことよりも怨念しかなかった。 11「おねだり経団連」佐々木副会長の品性 安倍ブレーンを自負する佐々木副会長の言動は、首相官邸や財務省の顰蹙を買った。 12 夢しぼむ東芝WH「日の丸原子炉」 ウェスチングハウスが親会社の知らぬ間にトルコで中国と連携。安倍官邸は憮然とした。 第四章 粉飾決算の発覚 2015〜2016年 13 不正会計の
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深い闇
東芝の危機というのは選択と集中を経営陣が間違い、醜い権力闘争の末に粉飾に手を染めた、というのが表向きだがその裏には国策として政官ともにのめり込んだ原発の深い「闇」の部分に巻き込まれたというのが真相といえるだろう。そして現在の安倍官邸の中枢にその中心人物達がおり、安倍政権と東芝はある意味一蓮托生であり完全にゾンビ企業となった東芝は死ぬこともできず、東電とともにこのままの状態が続くとなるとあらためて「原発の闇」の根深さを感じる。
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