悪左府の女
伊東 潤
2017年6月9日
文藝春秋
1,925円(税込)
小説・エッセイ
冷徹な頭脳ゆえ「悪左府」と呼ばれる頼長が権力争いの道具として目をつけたのは、下級貴族の娘・春澄栄子だった。曲水の宴、賀茂祭、月見の宴、虫狩りー優雅な行事の裏では、貴族たちが卑劣な罠の仕掛けあいに明け暮れる。平清盛らの勢力に押され、いつしか頼長は破滅へと舵をきる。「勝つために手段は選ばぬ」。伊東潤の新境地!謎とスリルに満ちた平安時代長編。
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toruo
(無題)
この作者の他の作品がどれも面白かったうえにタイトルに凄く惹かれたので手にとって見た。悪左府とは保元の乱の主役である藤原頼長。生来の頭の良さと学識で腹違いの兄を押しのけて藤原摂関家の長者になり更に貴族社会の頂点を目指す頼長。ライバルに対抗するための手段を選ばず自らの手の内にある女に帝の子を産ませようと画策する。そして目に止まったのが有名な醜女とされた主人公…と言っても当時の基準であって、背が高く痩せがたで目鼻立ちのくっきりした女、という造形。更には帝の好きな琵琶の名手ということもあり強引に宮中に押し込むのだが…という話。切れ者すぎて周囲への配慮が足りない頼長はどんどん追い詰められ破滅に向かっていき、主人公の運命も翻弄される。武力を持たない貴族たちの陰湿な争い、台頭してきた武士たちの描き方などさすがに読みだすとやめられない面白さだった。貴族達からは醜女と言われる主人公も新興の武士達にはやたらともてるのも価値観の相違を表しているようで上手いなと思った。
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