
インフルエンス
近藤 史恵
2017年11月27日
文藝春秋
1,650円(税込)
小説・エッセイ
大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨(ゆり)はある時、かつての親友・里子(さとこ)が無邪気に語っていた言葉の意味に気付き、衝撃を受ける。胸に重いものを抱えたまま中学生になった友梨。憧れの存在だった真帆(まほ)と友達になれて喜んだのも束の間、暴漢に襲われそうになった真帆を助けようとして男をナイフで刺してしまう。だが、翌日、警察に逮捕されたのは何故か里子だったーー 幼い頃のわずかな違和感が、次第に人生を侵食し、かたちを決めていく。深い孤独に陥らざるをえなかった女性が、二十年後に決断したこととは何だったのか? 社会に満ちる見えない罪、からまった謎、緻密な心理サスペンス。 「読者を引っ張らずにおかない独特の謎」「行間からにじみ出る緊張感がすごい」「自分にもなじみのあるこの関係性と舞台に引き込まれた」雑誌連載中から反響続々。 「サクリファイス」の著者が女たちの焦燥と決意を描く、傑作長編!!
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(無題)
友梨と里子そして真帆。たまたま同じ中学に居合わせた女子3人である。その後、友梨はそこそこの偏差値の高校へ、真帆はお嬢さん学校で知られた女子校へ、そして里子が進学したのは偏差値最低の学校だった。この時点で3人の人生が予測できるような進路である。境遇が異なりライフスタイルが異なっていれば、人は自然と疎遠になるものだ。大人になった3人の歩みがどこかで交わる事は、まずは考えられない。ところがこの三人、30年に渡って交流が続くのである。何故なら、絶対に口外できない秘密を共有していたからである。それは「殺人」。 真夏の逢魔時、事件は突然に起こった。真帆が男に襲われた。真帆を救おうと駆けつけた友梨が気がつくと男を刺してしまっていた。ところが警察に逮捕されたのは、里子であった。2人が夢中で逃げ出した後、自宅の窓から目撃した里子がトドメを刺したのだった。少年院から出所した里子は、友梨に祖父を殺すよう迫る。里子は幼児の頃から祖父による性的虐待を受けていたからだ。団地の自宅ベランダから下を覗き込んだジジイを突き落とす計画だ。決行の日、友梨が現場に向かうと、ジジイが降ってきた。真帆が友梨に代わって手を下したのだ。それから15年、友梨は本当に殺人を犯す。真帆からDVを加える夫を殺害して欲しいと頼まれたのだ。ところが友梨が殺したのは、里子の夫であった。真帆は里子と里子の娘の依子を助けるために依頼したのだ。 これが、この物語のあらすじである。ストーリーからは上等なミステリー小説を予想してしまうが、実際に読んでみると、面白くないのだ。作者自身がエンタメ小説と言っているのだから、ストーリーの面白さを楽しめば良いのかもしれないが、小説読みの醍醐味、ワクワク、ドキドキあるいは心震える部分が全くないのである。
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