
葵の残葉
奥山 景布子
2017年12月13日
文藝春秋
1,980円(税込)
小説・エッセイ
この四兄弟がいなければ、幕末の歴史は変わっていただろうー。子福者と天下に羨まれた徳川傍流・高須家から尾張、会津、桑名に散った若き兄弟は動乱の中、維新派と佐幕派に分かれ対立を深めてゆく。葵の御紋の誇りを胸に、新時代の礎となった高須四兄弟の運命を描く!
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(無題)
「この印籠が目に入らぬか。無礼者めが」。ご存知「水戸黄門漫遊記」の決め台詞である。そしてこの印籠には徳川将軍家の家紋「葵の紋」が描かれているのである。こうして、日本国中津々浦々まで、たとえ自分の家紋を知らなくても、徳川家の紋が葵であることは知れ渡った。その葵の木に枯れ残った葉っぱ、即ち徳川家の終焉に自らが登場人物として立ち会ったのが高須松平家の四兄弟であった。徳川御三家・尾張藩主となり、いち早く官軍についた次男・慶勝。 一橋家を継ぎ維新派と交渉した五男・茂栄。 美貌と高潔で知られた会津藩主、六男・容保。 京都所司代として兄・容保を補佐し、最後まで転戦した八男・定敬である。本書は幕末の動乱期、この四兄弟を描いた作品である。容保以外は歴史上あまり知られた存在ではない。そのせいかどうか、本書も実に地味な存在となっている。こう言うところが玄人受けするのであろうか。
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