そして、バトンは渡された

ほっこり気分になりつつ色々やっぱりおかしいなと感じる本。親が次々と変わっていくけど、それぞれの親から大事にされ育っていく優子。っていい話に一見思えるんだけど。家族ってなんだろう？血が繋がっていても、深い愛で人間繋がり合えるのかなって、森宮さんと優子の関係を思うこともできたけど、やっぱり設定がおかしくてそこに腹が立ってしまうな。まだ幼い優子を再婚した若い妻に預けて旅立ってしまう実父、父を無理やり説得し幼い優子を誘導して自分を選ばせる梨花、優子に良いピアノを与えるためだけに年上のお金持ち男性と結婚し無責任にすぐ逃亡する梨花。頭おかしい。病気になって好きでもない高学歴安定収入の同級生の森宮と再婚し押し付けて逃亡する梨花。おかしい。ありえない。なんかなぁ。そもそもの設定を気に入らないから感想と評価がどうしても低くなっちゃうけど…

優子には二人の母親と三人の父親がいる。色々な親と暮らしながらも優子は穏やかに成長していく。 2019年本屋大賞受賞作ですが、ちょっと納得がいかない作品です。それは、優子が悪いわけではなく、この女の子はできる範囲で一生懸命やってきているのが作品を読んで伝わるからなおさらそう感じてしまうのかも…ネタバレになるので書きませんが…。

森宮のキャラが良すぎる

「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。 親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない？未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。それってどこでもドア以来の発明だよな。しかも、ドラえもんは漫画で優子ちゃんは現実にいる」 主人公、優子の3人目の父である森宮さんの言葉。 考え方が素敵で気に入った。森宮さんの独特なのんびりした雰囲気もこの小説の魅力の一つだと思う。 内容としては現実味が薄いけれど、ほのぼのと読み進められる。

なんのバトンが渡されるのか気になりましたが、なんとこんなバトンだったとは！強く優しく美しく逞しく、涙涙で嗚咽しながら読了しました。是非、手に取って本でもらいたい作品です。

子供を育てることに、資格はいらないけど、覚悟が必要であり、森宮さんの覚悟に、心打たれました。誰からも愛される優子は幸せ者だと思います。

とてもとても暖かい気持ちになる本。

家族のありかたを今一度考えさせられる。 血のつながり、一緒に過ごした時間の長さ、気が合う関係、気を使わない間柄 どれも家族だし、場合によっては家族じゃない。 型にははまっていないけど、 みんなが相手の幸せを一番に考えている。 家族とはそんなもんじゃないだろうか。 …にしてもいい人ばかりだったなぁ。

「昔は俺も、恋愛をしたり結婚したりしてないのはむなしいことかもしれないと考えてたけど、そうじゃないんだよな」 「恋愛よりも大事なものは結構あるし、何か一つ手にしていればむなしさなんて襲ってこない。優子ちゃんも大人になったらわかるよ」 最近なにかと虚しくなりがちだったから響いた。じぶんにとって大事なつながりを見つけたい。

餃子にドライカレー 森宮さんが優子のために作る料理が魅力的に思えた。 はじめは、優子の境遇に追いつかなくて読みにくさも感じたけれど、読めば読むほどに沁みていくものがある。 子育てをする、している人なら分かるのではないだろうか。

最後のお父さんナイス！！ いや、みんなナイス！！

次々親が変わっていく人生を歩んできた優子のお話。重いテーマかと思いきや全く暗くなくて、どこかとぼけた登場人物たちに心があったかくなる。 食い過ぎだとかそんなどんどん告白されるわけないだろとか人はもっと傷つくだろうとか早瀬くんとの再会とかツッコミどころは多いのだけれど、それをなぜか許せちゃう柔らかい文章に引き込まれてしまう、そんな小説だった。

とってもほっこり暖かい気持ちになれた。 親が5人ってどういう事? 暗いストーリかと思ったらなんと心暖まる展開。 5人の両親に育まれ、素直に受け止めてきた優子。 料理とスイーツ、ピアノが散りばめられていて大好きな作品になりました。

好きだけでは結婚できないよと言われてきたけれど、最終的には好きだから結婚したいと思うんじゃないか。 当たり前なようで当たり前でないことを1冊かけて教えてもらえた気がする。

とてもおもしろかった。

前回、瀬尾作品を読んだのが『幸福な食卓」であったから、引き続いての家族ものである。しかし、今回の家族はちょっとばかり普通じゃない。何故なら主人公・優子には3人の父親と2人の母親がいるのだから。親が再婚を繰り返せば、そんなこともありうる、とは読み終わってから言えることで、読んでいるうちは、優子を取り巻く人間関係を把握するのに苦労する。 ここで、それを整理しておくことにする。先ずは生みの親。母親は優子が三歳になる前に事故で亡くなった、と父親の水戸秀平から聞かされていた。小学校二年の夏休みに、水戸が田中梨花と再婚。しかも2年後、2人は秀平の海外勤務を契機に離婚し、優子は父とブラジルでの生活か梨花との日本での生活か選択を迫られる。友達を失いたくなかった優子は日本に残る道を選び、田中優子となった。小学校6年生になった優子の前に現れたのは、2人目の父親・泉ヶ原茂雄であった。梨花が再婚したのだ。ところが、梨花は大胆で突拍子もない女である。優子が驚いたのは梨花の再々婚である。相手は森宮。優子が中学3年の時であった。3人目の父親である。ところがしばらくすると、梨花は優子を置いて出て行ってしまった。だから、優子は今は森宮と2人暮らしである。 ここまでが第一章のあらましである。全体の四分の三ほどを費やしている。第二章では優子は短大を卒業して社会人。22歳になっていて、結婚が決まる。そして、結婚式でのヴァージンロード。父親・森宮から新郎・早瀬へのバトンタッチがクライマックスである。 本書で一貫して描かれているのは、愛される優子の姿である。親が変わっても、血の繋がりが無くても愛され続けるのである。家族の幸せは、ヒトを慈しみ思いやるところに生まれる事を改めて感じさせる作品であった。さらに敷衍して述べるなら、同性同士の結婚を差別したり、封建時代から引きずったイエを優先するこの国の家族制度にはウンザリする思いだ。

題名がなぜこれなのか、最後の最後になるまでわからなかった。なるほど。面白く読みごたえのある一冊でした。

バトンかぁ 今までの親との関わりを織り混ぜながら進むストーリー すごい引き込まれました 最後は泣けたわ

親が結婚・離婚を繰り返し、名前が変わる生活を送る主人公 優子。気にしていない素振りで、楽しく学校生活を送っている。最後は血の繋がらない家族の愛情に、ほろりと泣きました。

瀬尾さんを読むのは、恥ずかしながら、「卵の緒」・「図書館の神様」以来。 彼女の‘Heaven's Story’の世界に磨きがかかった。 所詮、お涙頂戴イズム、だと思いつつも、のめり込んでしまう。 心が弱っている時、温かく包んでくれる。 救われる。 Eugene

本当の幸せって何か、本当の家族って何かを考えた。主人公の優子の生き方が、ものの感じ方が柔らかくて真っ直ぐで素敵です。

誰かを幸せにする事が幸せなんだね。 とても読みやすい文体で、ドラマをみてるように、映像が見えました

題名がなぜこれなのか、最後の最後になるまでわからなかった。なるほど。面白く読みごたえのある一冊でした。

人の暖かさと絆に感動した 第2章は涙が出た。

人との付き合い方を考えさせられる。特に家族。 一人暮らししててなかなか会えない中でも、自分が意識しなくても心の中で常に持ってる「無意識の絆」が形になったのがこの本だと思う。 心が温かくなったし、一人で寂しい時に読んでもよさそう。

2019年本屋大賞受賞。好きな話

私には親が5人いる。 本屋大賞受賞作。他受賞作の多くがそうであるように、読みやすく大衆受けする作品と思う。 一方で物足りなさも少し感じる。淡々と進みすぎてカタルシスが無いというか。安心して読める裏返しとも言えるが。 主人公、それを取り巻く親・大人が皆良い人達であり、主人公も困惑するほど楽しく美しく物語は進む。彼等は特別優れた人間ではなく、欠点もあり、一歩間違えば（あるいは観点を変えるだけで）十分悲劇になる環境と思う。だが、主人公の（ある意味ドライとも言える）優しさ、大らかさが、この物語をハッピーエンドへ連れてってくれたように感じられた。 主人公のように、どんな環境に置かれても、受け入れる強さを、受け止める寛大さを持ち、日々を楽しく生きていきたい。

最初は話に無理があるかなーと思いつつ読んでたけど、親子の愛がどんどん深まっていくのがわかり、最後は感動した！

3人の父親、2人の母親との生活を通して生きる女性の話。 でも良くあるひどい親、ではなく、見ながら主人公のことを人生をかけて愛し育ててている。 駐在で離れても心配し続ける父親、自由奔放だけど主人公を育てるために結婚相手を決める母親、高校生の血の繋がらない子供を引き取る決意をする若い父親。 彼らが人生をかけて主人公を育てる。 そして主人公も強い。状況に翻弄されながらも頑張って自分を保とうとする。またまだ間違えることはあるけれど、悲観せずに受け入れていく優しい強さがある。 ・血の繋がった家族がいるのは、当たり前ではない。 ・子供は親を選べない、ともいうけど、選べても困る。 ・自分のために生きる、それだけだとどうしても満たされない。誰かのために生きることがこんなにも楽しいことだなんて。 ・未来にバトンを渡すこと。それはなによりもワクワクすること。

本屋大賞がどんな基準で選ばれるか知らないけれど、おもしろかったです。血のつながらない親子がそれぞれ抱く「ありようの正しさ」をたどるうちに、ほんとに正しいのがなんなのかわからなくなりました^_^;でも、それでいいのだ！ 読みやすさは抜群だと思いますよ。

母親が亡くなり継母ができ、親の離婚で継母に引き取られるとなれば、疎まれて酷い生活を送ることが想像されるが、継母にも周りにも愛される。継母が実父から子供を引き取ることもないとは思うが、その後も継母が2度も結婚してその相手に娘を引き取らせるなんてことも考えにくい。でも血の繋がっていない父親と生活して、幸せに大人になっていく。現実には考えられないように思うが、現代は非婚、晩婚、少子化で家族を持ちたくても、子供を持ちたくても持てない人が溢れていることを考えれば、そんなこともあるのかな。

読んでてすごい幸せな気持ちになる バトンに例えてるからこそ見えてくる世界観 優子ちゃんくらい強くて、優しいひとになりたい

ずっと気になっていた本。 本屋大賞受賞したのをきっかけに、 早速読んでみた。 もっと早く読めば良かったと思うほど、 面白くて、読みやすくて、 ページをめくる手が止まらず。 あっという間に読み終わってしまった。 母親2人に父親3人。 育ててくれる親が次々変わって。 それを娘の優子は不幸とも感じず。 それだけみんな、大切に育ててくれた。 最後の父親、森宮さん。 父親であろうと奮闘する姿。 好きだなあ。 そして、風来坊の早瀬くんも好き。 早瀬くんのピアノ聴いてみたいなあ。 ・ ・ #そしてバトンは渡された #瀬尾まいこ #本屋大賞受賞

2019/02/11 読了。

優しい話をありがとうございます。