百花

川村 元気

2019年5月15日

文藝春秋

1,650円(税込)

小説・エッセイ

大晦日、実家に帰ると母がいなかった。息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。それは母が息子を忘れていく、始まりの日だった。認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、泉は母との思い出を蘇らせていく。ふたりで生きてきた親子には、どうしても消し去ることができない“事件”があった。母の記憶が失われていくなかで、泉は思い出す。あのとき「一度、母を失った」ことを。泉は封印されていた過去に、手をのばすー。現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。すべてを忘れていく母が、思い出させてくれたこととは何か。

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書店員レビュー(1)
書店員レビュー一覧

安保貴司

書店員@

胸が締めつけられる

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4.6
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2020年02月15日

みんなのレビュー (3)

Readeeユーザー

(無題)

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3.9 2020年02月07日

将来の自分を見るようで怖かった。 子どもたちはその頃どんな心情になるのだろう。 そして母、可能ならホームに入ってもらいたくないなぁ。

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Readeeユーザー

(無題)

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3.2 2020年02月03日

レコード会社で働く30代の泉は、もうすぐ父親になる。泉を育てたシングルマザーの百合子は、68歳で認知症を発症した。認知症の恐ろしさは単なる記憶力の衰えに止まらない。認知能力の低下はやがては人間としての尊厳を損なうところとなる。しかも本人がそれを自覚していないとなれば、身近で介護にあたる肉親はいたたまれない思いをするものだ。介護は人間にのみ見られる行動である。人間以外のあらゆる生物は、老齢期を迎えれば静かに死んでゆくのが普通である。人間だけが介護をする理由は今のところ明らかになっていないようだ。 さて、本書のテーマは「記憶」である。楽しいことも辛いことも結局は記憶の中にしか残らない。人の一生にしたって、死んでしまえば何も残らない。歴史に名を残す人もいるにはいるが、それは実績次第である。多くの市井の人々は身近な人の記憶の中に止まるだけである。してみれば人間の実態は、記憶の中にしかない、と極論することもできよう。その場合、認知症になって記憶を失ってしまえば、存在自体が失われたいまうのだろうか。 加齢と共に認知能力の低下が避けられないのであれば、そうなる前にオサラバしたいものだ。

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(無題)

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3.7 2019年07月18日

認知症になっていく過程がよくわかる、 家族の立場からも本人の立場からも文字が綴られており、誰を責めることもできない老化に恐怖すら覚えた。

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