ブルースRed

桜木 紫乃

2021年9月24日

文藝春秋

1,650円(税込)

小説・エッセイ

死に場所を求め、生きる女。裏切りの果てに辿り着いた終焉の地とは。ノワール小説の極北!

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2022年05月25日

作品に漂う釧路の空気感はホテルローヤルの頃と変わらない。しかし、本作で読者が放り込まれる世界の広がりが大きく変わっている。それが作家としての熟練なのだろう。 かつて桜木紫乃は『ブルース』と言う作品を上梓した。主人公は影山博人。極貧でどん底の生まれながら上昇志向が強く、市長も思いのままに繰る闇の実力者に成り上がるのだった。 今回の主人公は博人の義理の娘・莉奈である。彼女は義父ヒロトの跡を継ぎ、釧路のフィクサーとなり、市長、道議会議員、地場の国会議員達の出馬や引退のみならず、邪魔者を闇に葬る事も含め、地域の実権を思いのままに支配していく。そして自身のフィクサーとしての力が枯れてきたと自覚すると、躊躇なく釧路を離れ、別の世界で別の生き方を選ぶのであった。

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