生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント

文春新書

西原 理恵子

2012年7月31日

文藝春秋

880円(税込)

小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 美容・暮らし・健康・料理 / 新書

飲酒で高校を退学処分。水商売でアルバイト。離婚したのち、ガンを患った元夫の最期を看取るー。「おカネ」「男と女」から「ビジネス」「家族」「トラブル解決法」まで、波瀾万丈の人生で培った処世術を伝授する。

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Readeeユーザー

(無題)

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4.2 2018年01月28日

私は、本を読むのが好きで、活字中毒の域に達していると自覚していますが、今まで手を出していなかったのがライトノベルとアニメ・漫画です。ライトノベルはここのところ、何冊か読んで抵抗はなくなりましたが、アニメがどうもしっくりきません。これでも子供の頃は少年マガジン、少年サンデーの愛読者だったんですがね。そんな訳で西原理恵子という漫画家は、毎日かあさんの作者であることぐらいの知識しかありませんでした。この人の絵は、なんかゴテゴテと線が太くて存在感はあるけど、どこが面白いの、という感じてみていました。 ところが本書から窺える著者、書いているのではなく語っているんですが、その喋りがいいんですね。相談者を前にして説教しているのが見えるような喋り方です。話し言葉ですから表情まで見えそうです。黄色の表紙に著者独特のおばちゃんのイラストをあしらった装丁は、新書である事を忘れさせられます。しかし、文藝春秋の編集担当者もあれこれ知恵を絞って答えずらい質問を考えたもんだも思います。多くの場合、質問の本質をズバリと突いて質問者の甘さを自覚させるパターンが多いのですが、人間と思うなネジだと思え、には腹を抱えて大笑いでした。どういうシチュエーションでこんな結論が出てきたかというと、使えない奴っていますよね、著者の場合、白夜書房の編集者、白夜書房って今はパチンコ攻略法の本が当たって景気いいようですが、昔は閨房小説専門でした。そこの編集者が「吹き出しが小さくて写植入らなかったので捨てました」と平然と言ってきたそうです。これには唖然として言葉を失いますよね。この時思ったそうです。期待してはいけない、具体的に指示して、それが出来ただけで褒めてあげるべきだと、その程度、つまり考えて行動したり判断できる人間ではなく、部品のネジなんだと、思ったそうです。 それとこの人の喋りって、理屈じゃないんですね。鋭い直観と皮膚感覚から言葉がポンポン口を突いて出るみたいなところがあります。これは、幼少期の貧しい生活、アルコール依存症の父親、母の再婚相手がギャンブル狂、夫のアル中と暴力、などなど。波乱万丈な人生がバックグラウンドにあって始めてできる事なんだと思います。 なお、各章の終わりに作家や漫画家が相談を寄せていますが、これがまた、力が抜けてて抜群におもしろかったです。それによると、著者の仕事へのモチベーションは「1億4千万円の借金があること」ですって。 生きるって、みっともないことだし、みっともなくていい。あの手この手で、どうにかして勝ち残った者が勝ち。そのためには、ついていいウソがある。 あんまり、生真面目に考えない方がいいよ、という西原流人生訓でした。

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