人間の叡智

文春新書

佐藤 優

2012年7月20日

文藝春秋

858円(税込)

ビジネス・経済・就職 / 人文・思想・社会 / 新書

下がる賃金、厳しい就活、ひろがる格差。あなたの仕事がつらいのは、世界がすでに「新・帝国主義」時代に入っているからだ。食うか食われるかのゲームのルールを見極め、それを打ち破る武器としての「物語」を手に入れよ。日本とあなたが生き延びる道がわかる「国家論」決定版。

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Readeeユーザー

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3.4 2018年01月28日

インテリジェンスの世界に生きる人間は通常、闇から闇を渡り歩き世間に顔を晒す事はありません。ところが時代は著者を闇の世界で生きる事を許しませんでした。この結果、著者は言論界で生きる道を選び、インテリジェンスの凄まじさを白日の下に晒したのでした。インテリジェンスの世界から見ると、世界はこんなにもよく見えるのか、との実感を持って本書を読みました。著者の分析力は圧倒的です。米国やEU、中国などとの外交スタンス、軍事力、尖閣、沖縄基地問題等を新・帝国主義の観点から読み解いていきます。 著者によるといまの国際社会は19世紀末から20世紀の帝国主義に似てきているそうです。植民地獲得をめぐって列強が戦争をしていた頃ですね。今ではまさか植民地化できませんので、自国の利益を最大限に主張し、相手国が怯み、国際社会も黙っていると、理不尽なことでもごり押しします。尖閣諸島の領有権を巡って中国がやっていることを見れば納得できるでしょう。中国ほど露骨ではありませんが、アメリカも同様です。TPPでアメリカはアジア太平洋の支配を狙っているんですね。TTPについては賛否両論あるでしょうが、究極のところ、米・中どちらの傘下に入るかを我が国が選択を迫られているとしたら、中国の選択肢があるわけはありません。米国とは、あとは個別交渉ということになるでしょうし、中国とは戦略的互恵関係を維持するのが賢明な選択となるでしょう。また、ロシアの北方領土をめぐる態度も、イランの核開発も、彼らはみな同じ弱肉強食のルールにのっとって行動しています。 ですから、わが国はそんな時代をサバイバルしなければならないのです。生き残りのために必要な人間の叡智を、英語ではインテリジェンスといいます。インテレクチュアル(知性)とは、後天的に学習して身につけた知識です。 一方で人間を含む動物が、生き残るために必要となる情報や知恵は、すべてインテリジェンスです。断片的な知識をいくら持っていても、それは叡智にならないのです。日本型の受験秀才や、その結果である官僚の思考では通用しない所以です。 3・11以降、日本の危機はいっそう目に見えるものとなりました。いま、日本が国家としての生存をかけて身悶えしています。食うか食われるかの外交ゲームの中で、日本が少なくとも食われないようする、その処方箋のヒントが本書には秘められています。

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