イタリア「色悪党」列伝 カエサルからムッソリーニまで
文春新書
ファブリツィオ・グラッセッリ
2015年7月21日
文藝春秋
858円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
凄くて悪くてモテまくった7人の男たち 文字通り「英雄色を好む」だったカエサル。ベッドの上でも天才だったダヴィンチ。7人のイタリア色悪男のエピソードで読む世界史。
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(無題)
「色悪党」だなんて題名はオドロオドロしいのだが、内容は至って平凡なイタリアの偉人紹介である。古来「英雄、色を好む」って言うのだから、歴史上の人物に性的なエピソードはあって当然だ。しかもそれが世間では女性好きと思われているイタリア男性となれば、さぞかしと妄想が膨らむ。 本書は古代ローマ帝国のカエサルから第二次世界大戦時の独裁者・ムッソリーニまで7人の歴史上の人物をセックスの面から素描している。セックスの猛者の事を昔は性豪と呼んだものだが、今だと肉食系男子かな。その性豪で名を馳せたのが、スペインのドンファンとイタリアのカサノヴァである。生涯枕を共にした女性が1,000人というのだから、そのプレイボーイ振りには凄まじいものがある。タイガーウッズやクリントン元大統領レベルでセックス依存症になってしまう現代からは考えられないところだ。 ヴェネチアの運河に架かる大理石の美しい橋、その名もため息橋という。恋人同士がこの橋の下で日没時にゴンドラに乗ってキスをすると永遠の愛が約束されるのだという。このため、橋の下の水路は、ヴェネツィアの定番観光コースとなっている。何ともロマンチックでため息が出そうだが、このため息は恋人たちのものではなく、何と囚人が漏らすものなのである。この橋はドゥカーレ宮殿の尋問室と牢獄を結んでいる。つまり、橋からの景色は有罪を宣言された囚人がシャバを見られる最後の機会なのだ。ひとたび投獄されると、脱獄は絶対不可能と言われた牢獄である。ところが、ただ1人脱獄に成功した人物がいた。カサノヴァである。その後彼はフランスに逃れ、ヴェネチア外交にまたベット上での愛の交換に大活躍するのであった。 本書で取り上げられる色悪党は、なからずしも女性ばかりを相手にしていたのでは無い。ルネッサンスの巨匠・レオナルド・ダ・ヴィンチは17歳の金細工職人とのアバンチュールを密告され、「神をも恐れぬおぞましい行為」をしたとして逮捕されている。どうやら少年愛専門であったレオナルドに対してマッチョ系に惹かれたのが、もう1人のマエストロ・ミケランジェロである。彼の残したダビデ像を見れば、ミケランジェロの好みがわかろうというものだ。ミケランジェロの描く女性や子供までが筋骨隆々なのだから、筋肉フェチだったのかもしれない。
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