
働く女子の運命
文春新書
濱口 桂一郎
2015年12月18日
文藝春秋
924円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
女性の「活用」は叫ばれて久しいのに、日本の女性はなぜ「活躍」できないのか? 社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数2015」では、日本は145カ国中101位という低い数字。その理由は雇用システムの違いにある。 ジョブ(職務)=スキル(技能)に対して賃金を払う〈ジョブ型社会〉の欧米諸国と違い、日本社会では「社員」という名のメンバーを「入社」させ、定年退職までの長期間、どんな異動にも耐え、遠方への転勤も喜んで受ける「能力」と、企業へ忠誠を尽くす「態度」の積み重ねが査定基準になりがちだ。このような〈メンバーシップ型社会〉のもとでは、仕事がいくら出来ようとも、育児や出産の「リスク」を抱える女性は重要な業務から遠ざけられてきた。なぜそんな雇用になったのかーーその答えは日本型雇用の歴史にある。 本書では、豊富な史料をもとに、当時の企業側、働く女子たち双方の肉声を多数紹介。歴史の中にこそ女子の働きづらさの本質があった! 老若男女必読の一冊。 〈〈目次〉〉 ●序章 日本の女性はなぜ「活躍」できないのか? --少子化ショックで慌てて“女性の活躍”が叫ばれるという皮肉 ●1章 女子という身分 --基幹業務から遠ざけ、結婚退職制度などで「女の子」扱いしてきた戦後 ●2章 女房子供を養う賃金 --問題の本質は賃金制度にあり。「男が家族の人数分を稼ぐ」システムとは? ●3章 日本型男女平等のねじれ --1985年、男女雇用機会均等法成立。しかし欧米型男女平等とは遠く離れていた ●4章 均等世代から育休世代へ --ワーキングマザーを苦しめる「時間無制限」「転勤無制限」の地獄 ●終章 日本型雇用と女子の運命 --男女がともにワークライフバランスを望める未来はあるのか?
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