
承久の乱 日本史のターニングポイント
文春新書
本郷 和人
2019年1月18日
文藝春秋
902円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
『日本史のツボ』(文春新書)、『ヤバイ日本史』などで知られる人気歴史学者が、専門である鎌倉時代を舞台に、満を持して取り組んだ意欲作です。本郷さんは鎌倉時代の基本史料『現代語訳 吾妻鏡』の編者の一人でもあります。 誰もが日本史上の重要トピックとして覚えた経験はあるが、敗れた後鳥羽上皇が隠岐島に島流しにされたこと、北条政子の演説で鎌倉武士がひとつにまとまったことくらいで、実はよく知られていない「承久の乱」。 そもそも後鳥羽上皇はなぜ幕府に戦いを挑んだのか? 「錦の御旗」を敵に回して勝利したリーダー、北条義時はどんな人物だったのか? それを理解するには、後鳥羽上皇が歴代天皇のなかでも指折りの文武に長けたカリスマだったこと、そして頼朝以降の鎌倉幕府で繰り広げられた、血で血を洗う「仁義なき政争」を知る必要がある、と本郷さんは説きます。 さらにこの戦いは、朝廷と幕府の関係を決定的に変えました。以後、明治維新までのおよそ六百五十年間、武士が日本の政治を動かす時代となったのです。まさに承久の乱の起きた一二二一年こそ日本史の大きなターニングポイントといえます。 日本史ブームの中、第一人者による決定版の登場です。 主な内容 ・鎌倉幕府の正体は「頼朝とその仲間たち」 ・まったく異質だった武士の殺生観 ・上皇の絶大な経済力 ・北条氏よりも優遇された比企氏、平賀氏 ・なぜ源氏将軍は三代で絶えたのか? ・血で血を洗う闘争に勝ち残った北条義時 ・武士の切り崩しに成功した後鳥羽上皇 ・実朝暗殺の“仕掛け人”は? ・戦いの本質は「在地領主vs.朝廷支配」だった
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「ちゃんとした」歴史の啓発本
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(無題)
サブタイトルの「日本史のターニングポイント」というコピーに興味を惹かれたので。正直言うとかなり地味な乱という印象で世間知らずの朝廷が源氏の断絶に調子にのって兵を挙げたらあっけなく潰されました、的な記憶しかなかったので何がターニングポイントなのかと。まずは鎌倉幕府とは何か、という定義で元々は東国の武士たちの互助会のようなもので自分たちの権益だけ守れたら良く国全体をどうこうしようという意志はなかった、という説明があり、故に別に頭目は源氏の正統でなくてもよく実力者が務めればよいという構造だったので得体の知れない豪族だった北条氏が権力を握ったのだということが分かる。しかし権力を握るまでの時政、義時親子の日本史でも稀に見る陰険さが凄まじい。そして乱を起こした後鳥羽上皇が経済力でも武力でも当時においては日本一であったということが説明される。つまり時勢の読めていない貴族が起こした乱ではなくじゅうぶんに勝ち目があると踏んだ権力闘争であった、ということで結果として朝廷側が敗北したのはなぜか、その結果はどういうことになったか、という内容です。小説ではなく感情を廃して簡潔にまとめられてるので読み易く非常に面白かったです。
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取っ付きやすい日本史
本郷先生はCOTEN RADIOの番外編で知ったのが最初だったと思う。ようやく著作に触れることができた。 細かく説明しようとすれば方法は無数にあると思うけれど、詳細には行き過ぎず、その上で必要なことは振り返って伝える内容となっていました。 歴史が苦手な人も読みやすいと思います。
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