トッド人類史入門 西洋の没落

文春新書

エマニュエル・トッド / 片山 杜秀 / 佐藤 優

2023年3月17日

文藝春秋

935円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

トッド理解の最良の入門書にして、主著『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』を読み解くための最適なガイド。政治学、経済学ではわからない現代の混迷(「西洋の没落」)を人類学が解き明かす。「世界」がそれまでとは違って見えてくる! 世界で物議を醸した仏フィガロ紙インタビュー「第三次世界大戦が始まった」も特別収録。 『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』 ーー「21世紀の人文書の古典だ」(佐藤優氏) ーー「読めば読むほど味わい深い」(片山杜秀氏) (内容) 1 日本から「家族」が消滅する日ーー「家族」の重視が少子化を招く E・トッド 2 ウクライナ戦争と西洋の没落ーー「露と独(欧州)の分断」こそが米国の狙いだ E・トッド+片山杜秀+佐藤優 3 トッドと日本人と人類の謎ーー「西洋人」は「未開人」である 片山杜秀+佐藤優 4 水戸で世界と日本を考えるーー日本に恋してしまった E・トッド 5 第三次世界大戦が始まったーー弱体化する米国が同盟国への支配を強めている E・トッド ●エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd) 1951年生。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に"予言"。著書に『エマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)、『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』『シャルリとは誰か?』『問題は英国ではない、EUなのだ』『老人支配国家 日本の危機』『第三次世界大戦はもう始まっている』(いずれも文春新書)『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』(文藝春秋)など。 ●片山杜秀(かたやま もりひで) 1963年宮城県生。思想史研究者・慶應義塾大学教授。著書に『未完のファシズム』『尊皇攘夷』『11人の考える日本人』など。 ●佐藤優(さとう まさる) 1960年東京都生。作家・元外務省主任分析官。著書に『国家の罠』『自壊する帝国』『宗教改革の物語』『佐藤優の集中講義 民族問題』など。

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ケムケム

家族形態から世界を読み解く本!ちょっとあっち寄り

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3.8 2024年06月07日

 トッドは人類学者、歴史家、地政学者として名高い。特に家族システムをベースに様々な社会現象を読み解くのが得意だ。この本は「我々はどこからきて、今どこにいるのか。」の解説書と考えてもよいだろう。  核家族は古い家族形態で、日本の直系家族の方が新しい家族形態ということを初めて知った。女性の地位も時代が新しくなるにつれ低くなるのだそうだ。ユーラシア大陸の中央部で新しい家族形態が生まれたが、大陸周辺部は古い核家族が残っているのだそう。ただ、核家族の社会は「革新」を得意とする。だからイギリスから産業革命が生じたのだと。  家族形態を切り口としてウクライナ戦争、ロシアやアメリカ合衆国の状況を語っているのが興味深かった。  トッドは反米英、佐藤優は新ロシア、片山杜秀もロシアよりなので、仲良しが同じ方向で話をしているだけのような感じもした。トッドに対して、反論や質問をもっとしてくれても良かったのでは?

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Readeeユーザー

家族制度と文化

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3.2 2024年04月21日

世界は核家族と家父長制から国が成り立つという説を検証。たしかに家父長制というのは国家の存続に有利な制度なのは納得。それとアングロサクソンのポリコレをベースとした価値観に漬かっている日本人にはピンとこないがそれらと相対する中国、ロシアなどの権威主義と現実主義が世界の多数派だという事実は認識するべきだろう。

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