竜馬がゆく 五
文春文庫
司馬 遼太郎
1998年10月9日
文藝春秋
825円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
池田屋ノ変、蛤御門ノ変と血なまぐさい事件が続き、時勢は急速に緊迫する。しかし幕府の屋台骨はゆるんだようにも見えない。まだ時期が早すぎるのだ…次々死んでゆく同志を想い、竜馬は暗涙にむせんだ。竜馬も窮迫した。心血を注いだ神戸海軍塾が幕府の手で解散させられてしまい、かれの壮大な計画も無に帰してしまった。
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相手を惚れさせる
世の中はさらに動乱に至り、池田屋の変での長州藩による京への襲撃計画やそれを境に幕府による長州征討と二大勤王藩の1つが崩されようとしていた。そんな最中、1人長州と薩摩を繋げようと努力したのが竜馬だった。 彼のすごいところは、緻密な人間ネットワークだ。どんな役所やお人にも自分の足で会いにいき、その一回のチャンスを決して無駄にはしない。そして相手を惚れ込んでさせてしまうところだ。今回であれば、西郷隆盛との面会の場面はとても印象的だった。いきなり虫籠はないかと尋ね始めるところ、彼の子供らしさと純粋さを感じられる。決して自らを虚栄せず、ありのままの姿が格好良い。 愛嬌のある笑顔、ちぢれ毛、無愛想、五尺八寸の大男、剣術で鍛え抜かれた筋肉。 男の中の男だ。 そして、西郷隆盛もとても曲者で偉人であった。司馬遼太郎は彼を、革命家、政治家、武将、詩人、教育家と様々に表現している。私心を除いて大事を成すを理想として、自己を教育した。愚鈍な愛嬌者であり、はげしい反骨漢、そして激情家。己を愛する事なかれを貫いたお人だ。僕は彼の内なる炎とともに、気さくな性格にとても驚いた。自分のことだけではなく、藩のこと視野を広く考え、そして時にはすぐに頭を下げることもできる。 なんで柔軟性のあり、思考の深い人なのだろう。 そんな2人の対談から友情へと変化していく貴重な場面に出会えて、本当に良かった。 そして、個人的にはおりょうとお田鶴の修羅場と菊の枕のお話はとても好き。
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相手を惚れさせる
世の中はさらに動乱に至り、池田屋の変での長州藩による京への襲撃計画やそれを境に幕府による長州征討と二大勤王藩の1つが崩されようとしていた。そんな最中、1人長州と薩摩を繋げようと努力したのが竜馬だった。 彼のすごいところは、緻密な人間ネットワークだ。どんな役所やお人にも自分の足で会いにいき、その一回のチャンスを決して無駄にはしない。そして相手を惚れ込んでさせてしまうところだ。今回であれば、西郷隆盛との面会の場面はとても印象的だった。いきなり虫籠はないかと尋ね始めるところ、彼の子供らしさと純粋さを感じられる。決して自らを虚栄せず、ありのままの姿が格好良い。 愛嬌のある笑顔、ちぢれ毛、無愛想、五尺八寸の大男、剣術で鍛え抜かれた筋肉。 男の中の男だ。 そして、西郷隆盛もとても曲者で偉人であった。司馬遼太郎は彼を、革命家、政治家、武将、詩人、教育家と様々に表現している。私心を除いて大事を成すを理想として、自己を教育した。愚鈍な愛嬌者であり、はげしい反骨漢、そして激情家。己を愛する事なかれを貫いたお人だ。僕は彼の内なる炎とともに、気さくな性格にとても驚いた。自分のことだけではなく、藩のこと視野を広く考え、そして時にはすぐに頭を下げることもできる。 なんで柔軟性のあり、思考の深い人なのだろう。 そんな2人の対談から友情へと変化していく貴重な場面に出会えて、本当に良かった。 そして、個人的にはおりょうとお田鶴の修羅場と菊の枕のお話はとても好き。
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