おでんの丸かじり
文春文庫
東海林 さだお
2009年6月10日
文藝春秋
555円(税込)
美容・暮らし・健康・料理 / 文庫
一筋縄でいかない難物、おでんの袋もの。内部にたくさんの厄介者を抱え込んだ、このずっしり重くて熱い物体を、どう攻略するか!?また、華やかなおせちの重箱のなかで、唯一陰気でむさくるしい、ゴマメの存在意義を問う。駝鳥を食べ落雁をかじり、カミカツの幸せを噛み締め…ショージ君の好奇心は大全開。
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(無題)
通常、おでんを丸かじりすることはない。本書は週刊朝日に連載された筆者の食べ物に関するエッセイ集である。私が丸かじりシリーズに接したのは「とんかつの丸かじり」が初めてだったと記憶している。これは、まさに抱腹絶倒の思いで読んだことを、今でも記憶している。誰もが思うちょっとした違和感、ところがそれがなんだか分からないままに過ごすのが凡人なのだが、著者はそれを言語化した上でさらに針小棒大に話を展開する。今回もまた、うんうん、そうそう、へー、そうなんだ、と声に出しそうになりながら面白く読ませてもらった。
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