天使はモップを持って

文春文庫

近藤 史恵

2006年6月9日

文藝春秋

770円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

深く刺さった、小さな棘のような悪意が、平和なオフィスに8つの事件をひきおこす。社会人一年生の大介にはさっぱり犯人の見当がつかないのだがー「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才、そして、とても掃除スタッフには見えないほどお洒落な女の子・キリコが鋭い洞察力で真相をぴたりと当てる。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(10

starstarstar
star
3.35

読みたい

4

未読

7

読書中

1

既読

115

未指定

68

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー (2)

NOB

このシリーズもいいですね

starstarstarstar 4.0 2023年05月05日

またまた積ん読からの読んでいなかったシリーズです。 まぁ読む側からすれば、続いているシリーズはハズレは少ないでしょうから手が出しやすいですよね。 逆にコレクター気質のある自分としては、追いかけなくてはいけない義務感も出そうで怖いですけどw いろんなところでレビューしてますが、題材ってのはホントに豊富ですよねぇ。読者側からすれば楽しいですけど、追いかけなくてはいけないry。 面白かったので結構早めに読み終えましたが、最後の展開は読めはしたけどちょっと急かなー。 シリーズも続くのでこのあとどう続けるのか、ちょっと気になる… うーん、それが狙いかw

全部を表示

Readeeユーザー

(無題)

starstarstar 3.0 2018年01月24日

主婦に言わせれば「終わりのないジョブ』が家事だそうです。そう考えると、辛い仕事ですよね。だから辛い仕事を機械に肩代りさせようと、掃除機・洗濯機・炊飯器や電子レンジなどの家電が発明され、普及していったんでしょうね。 掃除夫ではなくて、ここはやはり掃除婦がイメージにぴったりしますね。しかも中年婦人を思い浮かべますよね。これってどうしてなんですかね。人間が生を営む以上、必ず汚れが生じますので、お掃除がエンドレスで必要になります。綺麗にしても、しても、汚れるのですから、お掃除には一種の虚しさが伴います。これを克服するには、努力よりも適性が左右するように思われます。そこで中年女性の出番となるのは至極当然の事でしょう。 さて、本作の主人公・キリコはそんなイメージとは対極にあります。先ずは若いことです。延々と続く単純労働に我慢ならないのが若さというものです。もう一方で、若さはおしゃれを求めるものでもあります。キリコはまだ少女っぽさが残るほどの若さで、スレンダーな身体を意識したおしゃれは人目を引きます。その上で仕事としての清掃にやり甲斐を感じています。僕などは心理学のメスでもってキリコの頭と心の中を切り刻んでみたくなります。 そんなスチエーションのちぐはぐさは、この作品に滑稽さをもたらすものとして、著者の計算の内なんでしょうが、それでもやはり後ろめたさは感じるようで、本書の中に言い訳めいた短編を収録しています。それが「シンデレラ」で、キリコを好きになった松岡に好きになった女の子はお姫様であってほしい願望を持たせて、病的な役を演じさせて、キリコのチグハグさを正当化しています。 なんだか随分と理屈っぽい事を書きましたが、本書はそんな理屈抜きで楽しめるエンタメ作品ですので念のために申し添えますね。

全部を表示
Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください