オレたちバブル入行組
文春文庫
池井戸 潤
2007年12月31日
文藝春秋
770円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンターテインメント小説。
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(無題)
ドラマの演出と比べるとどうしても薄味に感じる。 5億の焦げ付きを回収する話。 冒頭の同期人数の多さに少々圧倒されたが、あれだけキャラ付けしておいて続編考えてなかったは嘘のように感じる。 仇である木村の撃墜もやや薄め。小木曽の途中退場が大きく印象に残り、土下座させたものの、木村が調子に乗っている描写が少ないぶん、爽快感はそれなりといったところ。 東田も読み終えてしまえば小物。さっさと中国に逃げ切ってしまえばよかったものの、竹下にチャンスを与えすぎた。反面、竹下は有能なのか?という好感が持てた。尤も、ジャイアントキリングもあるが。 好感といえば垣内。多くの銀行員は直属の融資課長よりは支店長に与しそうなものだが、信ずるものを信じるという姿勢は良い。いい上司、いい部下をそれぞれ持った。 半沢と竹下、浅野と東田というジャイアントキリングの構図。事実として起こりうるかどうか分からないが、エンタメ小説、それも人物描写に文字を割かない作風としてはほぼ満点に近い。
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(無題)
バブル真っ只中、要領の良い半沢は産業中央銀行に早々と内定を取り付けていた。序章では就職戦線を勝ち抜き、産業中央銀行に入行が決まった半沢、そして同じ大学で矢張り同行に入行が決まった4人が登場。彼等5人の将来の夢が語られるのだが、各々の夢は違っていても希望に満ち溢れているのは変わらない。そして入行から十数年後、半沢は東京中央銀行の大阪西支店融資課長となっていた。バブルはとっくに崩壊。景気はどんどん悪くなっていた。プロジェクト・ファイナンスを希望した渡真利は融資部企画グループ調査役。押木は9・11に遭遇し、行方不明となっていた。司法試験の合格を嘱望された苅田だったが、2年の猶予期間を経て合格できず、関西法務室調査役として冷や飯食いの状態。近藤も嘱望された秋葉原東口支店勤務でのプレッシャーに負け、統合失調症で1年間の休職をへてシステム部分室の調査役で出向まちの状態と、入行当時の夢からは程遠い環境にあった。 大阪西支店の半沢は、個人的な株取引の失敗で金に困った支店長と、経営に行き詰まった大口取引先の悪徳社長が仕組んだ計画倒産による融資の踏み倒しの責任を押しつけられていた。 いきなり主人公の大ピンチから始まるこの作品。同期入行組や別の取引先に助けられながら、支店長の悪事を暴き、悪徳社長の隠し資産を突き止め、融資の回収に成功する半沢の逆襲劇を、起伏をつけながらもスピーディーに描いていく。 半沢が、銀行で働く事を決めた動機、そして彼が悪に対して徹底的に立ち向かって行った背景に、大事な人達を地獄に陥れた或る人間への復讐の意味合いも在った事が終盤で判明等、心を打たれるシーンが少なくない。そしてこんな台詞がイイ。「オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それに応える。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。そして潰す。二度とはい上がれないように。」
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とめ
まぁまぁのエンタメ
半沢みたいにかっこいい男はいないし、思い通りになることはないと冷めた気持ちで読んでしまう。会社は理不尽なことをいうものだという点で共感。
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