乳と卵

文春文庫

川上 未映子

2010年9月3日

文藝春秋

550円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取り憑かれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった、芥川賞受賞作。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstar 4.0 2021年08月15日

母親の巻子と娘の緑子。2人は大阪から巻子の妹が住む東京へと向かう。 ホステスである巻子の目的は豊胸手術を受けることである。緑子はしばらく前から巻子への反抗からか口をきかず、言葉をひたすらノートに綴る。 巻子の妹視点から描かれる物語は、芥川賞らしく一文が長く読みにくいなと最初は思ったが、頻繁にはさまれる緑子のノートの文章は切実さに満ちていて、だからこそ緑子と巻子が卵を割りながら泣くシーンで泣いてしまった。 緑子の成長期特有の不安感、お母さんへの反抗、お母さんが嫌いで、でも同じくらい好きで、心配で、いっぱいいっぱいになりながらも必死で言葉を紡いでいた彼女が感情を爆発させる、ということに、感情移入してしまった。 文章表現の奥深さを感じる。 二編目の「あなたたちの恋愛は瀕死」も、普通に恋愛ができない「女」の、女友達に対する劣等感がとても共感できて痛いくらいだった。 どちらも短編だけれども深くまっすぐ切り込む文学だとしみじみ感じた。

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水流おと

自分の体?

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3.8 2021年05月05日

句読点が多く、本当に自分が生活していて自分が心の中で瞬間的に思っていることや見ていることのように淡々と書かれている。 自分の体について、登場人物達はあれこれと考える。体の中には血が流れていて、女は月に1度月経が来るということは皆理解しているはずなのに、そこの意味を見出そうとして、体がムズムズしてくる。

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shimane_e

文字通り

starstarstarstarstar 5.0 2019年12月10日

乳と卵は文字通り乳と卵で、もう一作収められた、あなたたちの恋愛は瀕死もまた、文字通り瀕死。タイトルの妙に感心してしまった。 また、語りのような文体は、実に女性的で私のとりとめのない思考を書き留められているようで散らかりすぎて見えない自分を捉えることが出来る気がしてすごく沁みた。 つまり他人事ではない小説で、面白い、面白くないを通り越して、この人の作品をもっと読まねばならない気になった。

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