願かけ 新・酔いどれ小籐次(二)

文春文庫

佐伯 泰英

2015年2月6日

文藝春秋

803円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

近ごろ、小籐次が研ぎ仕事をしていると、その姿に手を合わせ念仏を唱え柏手を打つ者、さらには賽銭を投げる者が続出する。周囲は面白がるが、小籐次は店仕舞いを余儀なくされた。一方おりょうの芽柳派では、門弟の間で諍いが起き、おりょうを悩ませる。ふたつの騒動は、誰が、何の目的で企てたものなのか。シリーズ第2弾!

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みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

-- 2018年01月21日

またまた不思議なことが起こりました。小藤次が大明神、大権現に祭り上げられてしまったのです。酔いどれ大明神です。しかも、久慈屋の軒先で研ぎ仕事をする小藤次に願かけしようと大勢の人が押しかけ、賽銭まで投げ込まれる始末です。その額たるや1日でなんと4両です。そうなると誰しもが考えるのが、宗教家としての専業化です。ところが我らが小藤次、最初のうちこそ、周囲のからかいに居心地の悪さで済まされましたが、次第に何者かの悪意を持った企てが感じられるようになってきました。労せずに大金を手にする事ができるとなれば、どうしたって易きに流れるのは凡夫の常です。そんな人間の心理を突いて寺社奉行による摘発と懲罰で小藤次を失脚させる戦略でした。 人の弱さを巧みに突く謀略家、一体どんな人物なのでしょうか。正体が見えないだけに余計不気味です。酔いどれ大明神に願かけすれば、願いは叶うとの噂の出どころ探しに難波橋の秀次親分と読売屋の空蔵が奔走しますが、雲を霞と尻尾さえつかめません。ところがこの謀略家、意外なところからケツが割れました。北村おりょうの門弟だったのです。おりょうに横恋慕し、おりょうを我が物にしようと5年前に入門、虎視眈々とチャンスを狙っていたのです。しかし、策士策に溺れるの例に漏れず、潜り込ませた仲間に喧嘩させて門人の雰囲気を悪くさせる工作から少しずつ正体が露見してきました。 この男、名前を塩野義佐阿弥と言い、千代田のお城では同朋頭を務めています。同朋頭は身分は低いのですが、将軍や老中の文書を取り次ぐ職掌ゆえ、権力の中枢にあって虎の衣を借りた狐になりやすい地位です。人品卑しく策謀好きな塩野義のことです。若年寄・植村家長をそそのかしてとんでもない陰謀を張り巡らせていたのです。

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