後妻業

文春文庫

黒川 博行

2016年6月10日

文藝春秋

814円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

91歳の耕造は妻に先立たれ、69歳の小夜子を後妻に迎えていた。ある日耕造が倒れ、小夜子は結婚相談所の柏木と結託して早々に耕造の預金を引き出す。さらに公正証書遺言を盾に、遺産のほぼすべてを相続すると耕造の娘たちに宣言したー。高齢の資産家男性を狙う“後妻業”を描き、世間を震撼させた超問題作。

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とも

(無題)

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3.2 2018年03月21日

「後妻業」とはなんとも凄い題名である。後妻である事を仕事としている、つまり生活の糧を後妻になる事で得ていると考えれば、過去には結婚を永久就職と言い表した時期もあったのだから、当たり前とも考えられる。しかし、ここで使われている「後妻業」はそれとはかけ離れた内容だ。妻に先立たれ一人暮らしをしている資産家の高齢者と親密になり、内妻として公正証書を作らせたり、後妻に入って財産相続の権利を確保した後、何らかの方法で夫の命を縮めて財産を我が物にするなりわいのことである。生業、つまりそれを仕事としているのだから、凄まじい。 こう聞いて誰しもが思い浮かべるのは、2013年に逮捕され連日お昼のワイドショーの主役となった筧千佐子であろう。京都、大阪、兵庫3府県で起きた連続青酸死事件で、夫や内縁男性ら4人に青酸化合物を飲ませて殺害したなどとして殺人罪と強盗殺人未遂罪に問われた事件である。当時、この事件を予言した小説として本書が話題になり、多くの人に読まれたものだった。当時、私も読もうと思い図書館に申し込んだが、 人気が高く順番待ちであった。そのうち、いつしか忘れてしまっていたところ、先日図書館の棚で偶然文庫版を見つけて数年ぶりに読み始めた次第だ。 さすがに直木賞作家だけのことはある。全体の構成力や物語の流れ、いつのまにか引きづり込まれている。特に大阪弁のセリフの掛け合いは絶妙である。大阪弁と京都弁の違いすらわからない私でさえ、そのリズムの良さに気がついたら乗せられていたものだった。

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