東京會舘とわたし 上 旧館
文春文庫
辻村 深月
2019年9月3日
文藝春秋
803円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業。東京會舘は訪れる客や従業員に寄り添いつつ、その人の数だけ物語を紡いできた。記憶に残る戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に誕生したオリジナルカクテル、クッキングスクールの開校ー。震災や空襲、GHQの接収など荒波を経て、激動の昭和を見続けた建物の物語。
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(無題)
尾風さんにお借りした本! はじめに出てきた寺井承平という作家をググって、あーフィクションなのかと思って読み始めた。東京會舘とそこで働く人々、そこを訪れる人々の物語。上巻は1923年〜1964年。東京會舘は第二次世界大戦でも焼失を免れている。 五編の短編から成っているんだけど、ちょいちょい同じ人が別の章に出てくる、繋がりのある構成。時代がどんどん変わるので出てくる人も多くて、そこまで思い入れはもてなかった。「あの人がまた出てきた!」がそんなに嬉しくないというか、、 後半、バーの話と、製菓部門の話が好きだった。めちゃくちゃオシャレ&おいしそう。マロンシャンテリーってケーキの話で、お腹空きすぎてググったら、なんと勝目清鷹は実在の人物だった。そこからあれ?と思っていろいろ調べたら、何人か本物が紛れてることが判明した。 ミスター・マティーニこと今井清さんとか、美容室の遠藤波津子さんとか。 下巻は現代に向かってくからもっと読みやすい感じなのかな??楽しみ〜
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(無題)
偉大なバイオリニストに会えた青年、軍に引き渡される最後の日に立ち会う支配人、マリッジブルーな花嫁の結婚式、酒とともに歩んだバーテンダー、土産用のパイを作った頑固な菓子職人。最後は大阪から来た夫婦がパイを買って帰る。淡々と続く時代の中の仕事人の話。あちこちでそれぞれの短編の主人公が交差する。しあわせな物語でした。旧館終わり。新館も読もうと思う。
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