
ファーストラヴ
文春文庫
島本 理生
2020年2月5日
文藝春秋
781円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか? 臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。 第159回直木賞受賞作。
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(無題)
第159回直木賞受賞作品で、来春には映画化も予定されている島本理生さんの長編ミステリー『ファーストラヴ』。 父親殺害の容疑で逮捕された女子大生・環菜。アナウンサー志望という経歴も相まって、事件は大きな話題となるが、動機は不明であった。臨床心理士の由紀は、ノンフィクション執筆のため環菜や、その周囲の人々へ取材をする。そのうちに明らかになってきた少女の過去とは。そして裁判は意外な結末を迎える。(裏表紙より) 裏表紙の紹介文とタイトルの『ファーストラヴ』とに、好奇心的違和感を持ちながら読み始めましたが、伏線に次ぐ伏線…という感じのストーリー展開で(伏線だけで出来た小説と言えるくらい)、この伏線がどう繋がっていくのか気になり続け、最後まで一気に読み進めました。 物語では、容疑者の環菜だけでなく、主人公の由紀や弁護士の迦葉をはじめとする登場人物たちそれぞれが抱えるトラウマがどんどん明らかになっていきます。環菜の事件を中心に据えながら、父子関係、母子関係の歪さが生んでいく闇のようなものが多方向から描かれていく小説でした。 自分の不快や恐怖はそっちのけにして、大人の期待に応えることで生き場所を確保してきた子供であった環菜。彼女を苦しめていたのは父なのか、母なのか、それとも…。彼女にとってタイトルとなった「ファーストラブ」の意味するものがなんとも切ない。そして、一番の闇を抱えていた人物が分かる結末まで…、心が折れそうになるばかりの展開の中で唯一の救いが、主人公の夫である、心を開かせる報道写真家・我聞でした。人の変われる可能性を信じる我聞の包容力。完璧ともいえる我聞の癒やしが存在することで、環菜だけでなく、主人公自身が変えていこうとしてる今に、読者である私も安心して寄り添うことができた気がします。一番番魅力的な我聞のお陰で、ミステリー要素だけでなくヒューマンドラマの要素を感じられました。
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(無題)
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映画化も期待大!
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過去と今は繋がっているし、精神と体も繋がっている
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(無題)
人は、周りからの影響で創られる。幼い頃の経験、トラウマ、浴びた言葉が人生となり、克服できる者もいれば、永遠に囚われる者もいる。誰と向き合うか。それで人は変われる。 自分の人生と重ねてみた。高校から来る者拒まず精神が強く、恐らくそれは誰かに愛されていたい欲が強いから。今浅いけど長い関係を好むのは、深い気持ちは詮索されたくないし信頼していないけど、心地よい瞬間を味わって幸せだと思い込みたいから。 本気で信用できる人がいない。自分を曝け出したくない。そんな自分を温かく包み込んでくれる人がほしい。私の心を察してくれる人に出会いたい。この渇き切った哀しい心を誰か潤してほしい。誰か、助けて欲しい。 その感情を思い出した一冊でした。
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(無題)
第159回直木賞受賞作品で、来春には映画化も予定されている島本理生さんの長編ミステリー『ファーストラヴ』。 父親殺害の容疑で逮捕された女子大生・環菜。アナウンサー志望という経歴も相まって、事件は大きな話題となるが、動機は不明であった。臨床心理士の由紀は、ノンフィクション執筆のため環菜や、その周囲の人々へ取材をする。そのうちに明らかになってきた少女の過去とは。そして裁判は意外な結末を迎える。(裏表紙より) 裏表紙の紹介文とタイトルの『ファーストラヴ』とに、好奇心的違和感を持ちながら読み始めましたが、伏線に次ぐ伏線…という感じのストーリー展開で(伏線だけで出来た小説と言えるくらい)、この伏線がどう繋がっていくのか気になり続け、最後まで一気に読み進めました。 物語では、容疑者の環菜だけでなく、主人公の由紀や弁護士の迦葉をはじめとする登場人物たちそれぞれが抱えるトラウマがどんどん明らかになっていきます。環菜の事件を中心に据えながら、父子関係、母子関係の歪さが生んでいく闇のようなものが多方向から描かれていく小説でした。 自分の不快や恐怖はそっちのけにして、大人の期待に応えることで生き場所を確保してきた子供であった環菜。彼女を苦しめていたのは父なのか、母なのか、それとも…。彼女にとってタイトルとなった「ファーストラブ」の意味するものがなんとも切ない。そして、一番の闇を抱えていた人物が分かる結末まで…、心が折れそうになるばかりの展開の中で唯一の救いが、主人公の夫である、心を開かせる報道写真家・我聞でした。人の変われる可能性を信じる我聞の包容力。完璧ともいえる我聞の癒やしが存在することで、環菜だけでなく、主人公自身が変えていこうとしてる今に、読者である私も安心して寄り添うことができた気がします。一番番魅力的な我聞のお陰で、ミステリー要素だけでなくヒューマンドラマの要素を感じられました。
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