
青田波 新・酔いどれ小籐次(十九)
文春文庫
佐伯 泰英
2020年11月10日
文藝春秋
836円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
江戸で有名な盗人「鼠小僧」は自分だ、とついに明かした子次郎。忍び込んだ旗本の屋敷で出会った盲目の姫君を救って欲しい、と小藤次に頼む。姫を側室にと望んでいるのは、大名・旗本の官位を左右する力を持つ高家肝煎の主で、なんと「幼女好み」と噂のある危険な人物だという…懐剣を携え悲壮な決意をする姫を毒牙から守れるか。
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(無題)
人は年齢を重ねると、時代小説に親しむようになるようだ。何故であろうか。久しぶりに酔いどれ小藤次シリーズを読んで、その訳がわかった。人情・恥・恩。現代にあっては忘れ去られようとしている価値観が堂々と君臨しているのが時代小説の世界だからだ。生産に従事して家庭経営や子育てをしてきた時代は、富や生産性、あるいは正義や公平に価値を置く生き方であったといえよう。リタイアして消費オンリーの生活になると、それらをさておいて人と人との触れ合いに心を動かされるようになっていくのかもしれない。若しくは、自然との触れ合いに喜びを感じるようになるのが当たり前の心情でもある。本書の題名『青田波』もそんな読者の心情に静かに訴えかける。田おこしから始まって稲刈りまでの一連の稲作。私たち日本人は、毎年繰り返される農作業に季節感と収穫への感謝を感じてきた。たわわに実った秋の黄金色に対比して稲の成長期・夏の田は青一色である。真夏のジリジリと照りつける太陽の下、一瞬吹き渡る一陣の風に揺れる青田は更なる清涼感をもたらす。 本書の題名『青田波』は、おりょうが久慈屋隠居五十六の隠居所の床の間に掛ける軸の絵柄に青田波はどうかと思案するところから名付けられたものだ。内容は2巻前から登場している鼠小僧が小藤次に近づいた真の意図が明かされる。高家肝煎のひひ親父を小藤次が成敗する辺りは、気持ちいい限りだ。
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