アンの夢の家

文春文庫

L・M・モンゴメリ / 松本 侑子

2020年11月10日

文藝春秋

924円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第5巻 アン25歳、グリーン・ゲイブルズの果樹園で、ギルバートと結婚。 フォー・ウィンズ(Four Winds)の海辺で、夢の家に暮らす。 運命に翻弄される美女レスリー、昔の恋人を想い続けるジム船長、男嫌いのミス・コーネリアと心を通わせ、迷える人々を照らす灯台となる。そして母になるアンの喜びと哀しみ、永遠の別れ……。人を愛する心の尊さを描く大人の傑作小説。 ・特徴1)日本初の全文訳 英国詩人ブルックの詩「旅人の歌」に始まる初の全文訳。 従来訳で省略、改変された文章を、モンゴメリの原書通りに翻訳。 ・特徴2)訳註 小説に描かれる397項目について訳者が解説する注釈付。作中に引用される英米文学と聖書、登場人物の民族、宗教、地理、歴史、政治、衣服、手芸、料理、園芸、諺、当時の風習、方言。 ・特徴3)写真と地図 小説の舞台フォー・ウィンズの内海、ジム船長の灯台のモデル、モンゴメリが本作を書いた部屋など、訳者がカナダで撮影した作品ゆかりの写真12点を収載。 フォー・ウィンズ周辺とカナダ東部の地図2点も掲載。 ・特徴4)あとがき……小説をより深く、楽しく読むために 一、モンゴメリの初期から中期の作品 二、小説の舞台フォー・ウィンズFour Winds 三、海辺の物語 四、登場人物は大人……ジム船長、ミス・コーネリア、レスリー・ムーア、スーザン 五、構成、シェイクスピア劇の影響、五つの物語の同時進行、詩的な散文 六、モンゴメリの怪奇趣味 七、本作のキリスト教〜長老派とメソジスト、天地創造と進化論、信仰復興運動 八、スコットランド系・アイルランド系・ウェールズ系のケルト、野蛮なゲルマン人 九、カナダ二大政党(保守党と自由党)の対立、総選挙で十八年ぶりに自由党が勝利 十、執筆時のモンゴメリの日記、四十代の牧師夫人、出産と死産、第一次大戦の後方支援 十一、夢の家は「災いある世界」を照らし、人々を導く灯台 ・アンとギルバートの結婚式 「陽のあたる古い果樹園で、アンとギルバートは、昔なじみの友の愛のこもった優しい顔にかこまれて結婚した。アラン牧師が式をとりおこなった。ジョー牧師は、のちにリンド夫人が力説した言葉によると、今まで聴いたなかで「もっとも美しい婚礼の祈り」を捧げた。九月に鳥はあまり鳴かないものだが、ギルバートとアンが永遠の誓いをくりかえす間、一羽の小鳥がどこかの見えない枝から美しく歌った。アンはそれを聞いて、胸がときめいた。」 『アンの夢の家』第4章「グリーン・ゲイブルズ初の花嫁」

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