
夏物語
文春文庫
川上 未映子
2021年8月3日
文藝春秋
1,089円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。
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橘薫
むむむ
まず、読者の好き嫌いがはっきり分かれそうです。 改行があまりなく、ひたすら独白が続くので興味を持ち続けられるかどうかに依ると思います。 しかし、綴られる独白からの感情や、ノスタルジーをそそられる言葉の数々、巻子、夏子、緑子の関係性などなど、ピンポイントで泣かせてきます。私は第一章を読んだ後しばらく続きが読めませんでした。 第二章の、特に中盤を過ぎるとグッと面白くなってきて、どうなるだろうか、と期待するのですが、個人的にはラストは「あー、そっちかぁ…」となってしまいました。 女であること。 子供を作れる体であること。 でもそれが、未婚であり恋人がいないという理由だけでできないこと。 そういうことに対する理不尽さや無念さなどが描かれていて、女性なら誰でも一度はこういうことを考えたり感じたりするのでは、と思うのです。 子供を産める体ではあるけれども、それをしないという選択肢、あるいはパートナーがいなくても子供を持てる選択がないと、「子供を産める体」を持つ意義はないのかもしれない、と感じたんですね。 つまり、「自分の意思」だけで決めることができない…自分の体なのに。 対局の位置にいる善さんは、私の中に永遠に残っています。 「子どもには生まれたいという自由意志はないかもしれない」し、「すべての子供が祝福されるべき」なんてこともない。 とても難しい問題だと思います。
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