ある男

文春文庫

平野 啓一郎

2021年9月1日

文藝春秋

924円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

愛したはずの夫は、まったくの別人であったーー。 「マチネの終わりに」の平野啓一郎による、傑作長編。 弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。 宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。 ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。 愛にとって過去とは何か? 幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか? 「ある男」を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。 第70回読売文学賞受賞作。キノベス!2019第2位。 映画『ある男』(2022年公開)は、第46回日本アカデミー賞で最多の8部門受賞! 最優秀作品賞 最優秀監督賞(石川慶) 最優秀主演男優賞(妻夫木聡) 最優秀助演男優賞(窪田正孝) 最優秀助演女優賞(安藤サクラ) 最優秀脚本賞・録音賞・編集賞など。

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みんなのレビュー (5)

オガ

(無題)

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4.3 2025年05月12日

人間にとって過去とは何か? 他人を愛するということは、相手を創り上げてきた過去から愛するということなのか? 戸籍交換という人間と人間の入れ替わりによる壮絶な人生を描いた作品 アインディティとは? もし今この時点で、自分の人生を他の誰かに差し出したならば、その人は自分よりも幸せに私の人生を生きてくれるだろうか? 平野啓一郎の美しく深い文章の中に、激しく人生を考えさせられた

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りりこ

面白い

starstarstarstar 4.0 2025年01月17日

これは戸籍を使った難しいトリックだったけど、読んだあと人に勧めたほど面白かった。ある男がいっときでも幸せになれてたならいいな。

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KR

(無題)

starstarstarstar 4.0 2024年07月21日

愛にとって過去とは何か? 戸籍交換により、過去を清算する人々。殺人犯の実父を持つ原誠もその1人、、。過去が違っても、人は変わらずその人を愛せるのだろうか。

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福田定一

(無題)

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3.5 2024年07月19日

一見、ファンタジーのような非現実さがありつつそれは実際に起こりうることで、もしかしたら実際にあった話なのかもしれなくて、最後に感じるのはこの本に出てくる一人一人の人間の考えや想いであり、その不思議な世界観が如何にも平野啓一郎さんの作品だなと思いました。

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Readeeユーザー

The小説

starstarstarstarstar 5.0 2023年04月15日

まさに、他人の人生を垣間見れた感じ。 小説を読まないと一生ふれることのない経験だと思う。 小説は人の気持ちを想像する力が培われると思っているんだけど、まさにそんな内容だった。 優しくなれた。

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