昭和史の軍人たち
文春学藝ライブラリー
秦 郁彦
2016年2月19日
文藝春秋
2,002円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
連合艦隊司令長官、特攻や中野学校の生みの親、異端児、変人、改革者そして宰相経験者…。昭和二十年の終戦まで、日本陸海軍は彼らによって支えられてきた。二十六人の人間像をつぶさに検証することで、昭和という時代が多角的に浮かび上がる。巻末に「昭和将帥論」を附す。
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starstarstarstar 4.0 2019年05月25日
よくもこんなに沢山の軍人の経歴等を調べたものだと感心する。 時間がかかったがようやく読了。 東条のプラス面を誰よりも評価していたのは天皇であり、第一の側近である木戸内大臣だったと思われる。一般の不人気にもかかわらず、東城政権が意外に長命だったのは、天皇の信任が厚かったという厳然たる事実による。(P.80) 天皇が帝王学の原則を越えて格別の情、つまり個人的な親愛感を示した例は決して多くないが、海軍では鈴木貫太郎、米内光政の二人、陸軍の白川義則。 鈴木貫太郎と米内光政に重臣の岡田啓介を加えた三人の海軍大将が、おそらくは終戦を導いた最大の功労者であろう。前年の東条倒閣で発揮された岡田の目ざましい活躍がなければ、鈴木も米内も部隊ににあがれなかったからだ。(P.528)
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よくもこんなに沢山の軍人の経歴等を調べたものだと感心する。 時間がかかったがようやく読了。 東条のプラス面を誰よりも評価していたのは天皇であり、第一の側近である木戸内大臣だったと思われる。一般の不人気にもかかわらず、東城政権が意外に長命だったのは、天皇の信任が厚かったという厳然たる事実による。(P.80) 天皇が帝王学の原則を越えて格別の情、つまり個人的な親愛感を示した例は決して多くないが、海軍では鈴木貫太郎、米内光政の二人、陸軍の白川義則。 鈴木貫太郎と米内光政に重臣の岡田啓介を加えた三人の海軍大将が、おそらくは終戦を導いた最大の功労者であろう。前年の東条倒閣で発揮された岡田の目ざましい活躍がなければ、鈴木も米内も部隊ににあがれなかったからだ。(P.528)
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