ありのまま。

2期生として06年にAKB48に加入した秋元才加さんは、AKB48というアイドルグループの中でも、最も「アイドルらしからぬ」立ち位置でした。キャッチフレーズの「強く、気高く、美しく」にもあるように、決して弱みを見せることなく、常に〝男前〟を貫いていた秋元さんの存在は、そのままAKB48というアイドルグループの強烈な個性にも直結します。 既に本人が公にしていますが、彼女は母親がフィリピン人というハーフ。幼い頃はそのことでからかわれることもありました。さらにアイドルとしてAKB48に加入してからもコンプレックスだらけ。周囲がグループに「アイドル」を期待する中、アイドルらしからぬアイドルは、自分の立ち位置に悩み続けました。 ドームツアーを終え、最後の劇場公演を終えた彼女は「旅」に出ます。目的地はフィリピン・セブ島からフェリーで2時間の離島。彼女の母親の故郷であり、15年ぶりの訪問となります。そんなルーツの地で見せたのは、誰よりも気高い横顔、そして、どこまでも飾らない素顔でした。 盟友である大島優子さん、宮澤佐江さん、そして彼女を慕う後輩たちも登場し、「秋元才加」という存在を掘り下げていくと同時に、本書で著者が何よりも伝えたいのは「ありのまま」を肯定することの大変さと大切さ。人は誰もがコンプレックスと闘っている。そんな自分をどうすれば好きになれるのか。 AKB48を卒業し、1人の女性としてこれからも闘っていく彼女。前半戦を終えた彼女は、この旅で自分の原点を確認し、後半戦へと進んでいきます。 【秋元才加 プロフィール】 1988年7月26日生まれ。千葉県出身。身長166センチ／血液型B型。今年8月28日をもってAKB48を卒業。