陰陽寮(おんみょうりょう)(3(丹波死闘篇))
書下し超伝奇巨篇
Tokuma novels
富樫倫太郎
2000年1月31日
徳間書店
1,430円(税込)
小説・エッセイ / 新書
丹波口から西に向かい、最初に差し掛かる峠が老の坂だ。その東側に位置するのが大江山で、都では「大江山の盗賊」ということで名高い。もっとも盗賊どもは数多くの小集団が大江山を根城にしているだけで、強固な団結があるというわけではない。盗賊同士での争いの中から、首領におさまり、二年以上その地位を保っているのが獅子王だった。鬼道丸は、来流須の行方を知る獅子王を訪ねて、仲間たちと大江山にやってきた。来流須の村は既に移動していた。獅子王の話では異国の大軍が若狭に上陸し、国府の軍勢が敗れたという。しかも異国の連中は来流須の民を引き渡せと、朝廷に要求しているらしい。どうやら、それで来流須は逃げたようだ。都では源頼光が中心となり討伐軍の編成が進められていた。一方寿宝も「暗黒の扉」の向こうに連れ去られた晴明を呼び戻す力を持つ米利王須を探して、丹波へと向かっていた。戦のにおいが迫る緊迫の第三巻。
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