
一橋桐子(76)の犯罪日記
文芸書
原田ひ香
2020年11月11日
徳間書店
1,815円(税込)
小説・エッセイ
「刑務所に入りたい!」 高齢者の切なる願いは、 人に迷惑をかけずに生きることだった。 <著者からのコメント> テレビや雑誌で、 凄惨な事件や驚愕の出来事などを 見るのが苦手です。 しばらく、そのことばかり考えて 何も手につかなくなったり、 眠れなくなったりします。 そんな時は事件の当事者の、 いったいどこに分岐点があったのか、 どこでどうすれば事件に巻き込まれなかったのか 答えが出るまで考えてしまいます。 残念ながら、 答えが見つからないこともしばしばです。 桐子さんは小さな幸せから放り出されました。 彼女が事件に巻き込まれないように 一緒に考えてはくださいませんでしょうか。 共に、はらはらしてくださったら幸いです。 <担当からのコメント> 私も桐子さんと同じ、 「人に迷惑をかけないで生きていきたい」と 思っていました。でもこの本を読んで、 「迷惑をかけて生きていてもいいのかもしれない」 と考えが変わりました。 人に迷惑をかけてこそ、生きている証なのだと! 人とのつながりが疎遠になっている今この時代 だからこそ、読んでもらいたい作品です! <編集長からのコメント> まだ41歳の私ですが、 76歳の桐子に激しく共感しました。 この老後は決して他人事じゃないーー。 万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人 どれが一番長く刑務所に入れるの? 老親の面倒を見てきてた桐子は、 気づけば結婚もせず、76歳になっていた。 両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで 細々と暮らしているが、貯金はない。 同居していた親友のトモは病気で 先に逝ってしまった。 唯一の家族であり親友だったのに……。 このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。 絶望を抱えながら過ごしていたある日、 テレビで驚きの映像が目に入る。 収容された高齢受刑者が、 刑務所で介護され ている姿を。 これだ! 光明を見出した桐子は、 「長く刑務所に入っていられる犯罪」 を模索し始める。 第一章 万引 第二章 偽札 第三章 闇金 第四章 詐欺 第五章 誘拐 最終章 殺人
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(無題)
万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人と一橋桐子の犯罪計画はエスカレートする。それは彼女が凶悪であるからではない。刑務所に収監される期間が長い犯罪を選ぶからである。それでは彼女が刑務所に入りたがる理由である。そのわけは、簡単である。住むところと食べるものが保証されるからである。76歳にもなって僅かな国民年金で生活していくのには厳しいものがある。職を奪われ、住むところを追われたら、いっそ刑務所の方がマシ、と思ったとしても不思議はない。独居老人の差し迫った悩みである。本書はそんな視点から老後問題を取り上げたブラックユーモアの書である。それにしても、最後はハッピーエンドでよかった。
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