駿河城御前試合

徳間文庫

南条範夫

1993年10月31日

徳間書店

683円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

巷説寛永御前試合は虚構である。事実は、秀忠の次子・駿河大納言忠長の御前で行われた十一番の真剣試合が、その下敷きとなっている。その日、駿河城内には腥風悽愴と荒び、戦国生き残りを賭ける武芸者たちは、だが、無骨さゆえの生きざまが宿痾となって、だれもが破滅の淵へと疾走し、血海に斃れていった。日暮れ、人去った城内は寂として声なく、人心の倦厭の気のみ残されていたという。時代巨篇。

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