回帰線に吼ゆ

徳間文庫

西村寿行

1999年11月15日

徳間書店

628円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

囚人の航海訓練船・北斗丸は三十人の受刑者と七人の職員を乗せて函館を出港した。船長は、異相の囚人、広田と弓削に危険な匂いを嗅ぎとる。台風の前線が波濤を激しく揺さぶる中、不安は現実となった。男鹿半島沖で広田らが暴動を起こし、船は乗っ取られた。暴風雨圏に船を突っ込む無謀さの裏には、重大な目的があった。一年前、日比谷で起きた四億円強奪事件の容疑者こそ広田だったのだ。長篇海洋バイオレンス。

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