火蛾の詩学 ゲーテとイスラーム神秘主義
高橋明彦
2017年9月26日
朝日出版社
1,980円(税込)
人文・思想・社会
ゲーテ『西東詩集』中の詩「至福の憧れ」の一節をもとに、その詩的淵源をイスラーム神秘主義のうちにさぐる試み。 井筒俊彦らに導かれつつ、九世紀スーフィズムの偉大な指導者にして殉教者であるハッラージュのあるテクストにまで遡り、 そこで「火蛾」の形象に出会う。さらにはベンヤミンによって提起されたゲーテとボードレールにおける〈詩とアウラ〉の問題、 あるいはゲーテとイスラームにおける〈色彩神学〉の可能性についての考察が加えられる。 まえがき 1 1 ハンマー訳ハーフィズ詩集 2 双子の兄ハーフィズ 3 ゲーテのプレテクスト 4 火蛾への変容1 ハーフィズ 5 火蛾への変容2 ハッラージュ 6 <寓話>のその後 2 テクスト この詩の韻律構成の基本的な枠組みについて一言。 0 表題 至福の憧れ 1 第一詩節 循環する焔 2 第二詩節 肉の悲しみ 3 第三詩節 まぐわいと目合 4 第四詩節 火蛾とメタモルフォーゼ 補説1 詩とアウラ ゲーテ─ボードレール─ベンヤミン 5-1 第五詩節 「死して成れ!」 5-2 第五詩節 光─曇り─闇 補説2 ゲーテの色彩神学 結びにかえて─ふたたび「死して成れ!」について─ 1 レーヴィットとテレンバッハ 2 ジャラール・ッ・ディーン・ムハンマド・ルーミー 3 『ルーミー語録』と井筒俊彦
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