大恐慌の勝者たち

玉手義朗

2021年6月25日

日経BP

1,980円(税込)

人文・思想・社会

危機はチャンスも連れてくる。 今こそ学びたい「教養としてのマネー史」 1929年10月24日は、NY株式市場でダウ平均が暴落し、「世界大恐慌」が始まった。いわゆる「暗黒の木曜日」である。しかし、終値で見れば、この日は実は「小幅安」。暗黒の木曜日は「暗黒」ではなく、市場は楽観論に包まれていた。本当の暴落が起きたのは、もっと後。そしてそこからアメリカ経済は「失われた25年」に突入する。 世界中が不景気に苦しんだこの時代、最初に復活した国は、なんと日本、続いてドイツが躍進する。景気対策において民主主義国は停滞し、独裁国が強さを見せた。 しかし、「失われた25年」に苦しんだアメリカにも、がっちり稼いだ投資家、事業家はいた。株価暴落を予知して大儲けした猛者もいれば、大損を教訓に投資手法を進化させたイノベーター(バフェットの師匠など)もいた。デフレ経済を追い風に事業を拡大させた勇者もいれば、時代の大きな流れをとらえたビジネスモデルで、不況をものともしなかった賢者もいた。彼ら11人の本質的な勝因とは、何だったのか? 著者は、為替ディーラーの経験を積んだ後、テレビマンに転じたエコノミスト。多種多様な文献を検証してマネー史の真実に迫る。 【序章】データでたどる大恐慌の真実 第1章【投資編】 相場師たちの撤退戦とバリュー投資の誕生  [序論]暗黒の木曜日は「暗黒」ではなかった [CASE1]ジョセフ・P・ケネディ:「王朝の創始者」は靴磨きの声に耳を傾けた [CASE2]バーナード・M・バルーク:「事実博士」は自動車と住宅に目をつけた [CASE3]ジェシー・L・リバモア:「突撃小僧」は 度テストした [CASE4]ベンジャミン・グレアム:「バリュー投資の父」は敗北に学んだ [CASE5]ジョン・M・テンプルトン:「バーゲン・ハンター」は悲観の極みを待った [COLUMN1] 奇才ウィリアム・ギャンの“オカルト”的予言 第2章【事業編】 恐怖とキャッシュをコントロールせよ  [序論]ニューヨークの街角に「リンゴ売り」が繰り出した [CASE6]コンラッド・N・ヒルトン:「ホテル王」はすべてを失い、再起した [CASE7]ジャン・P・ゲティ:恐慌を追い風に変えた「ケチな石油王」 [CASE8]デビッド・O・セルズニックとウォルト・ディズニー:拡大均衡を目指した「夢見る映画人」 [CASE9]ロバート・E・ウッド:小売業界の「将軍」は淡々と駒を進めた [COLUMN2]大恐慌が生んだヒット商品 第3章【政治編】ケインズ政策の誕生と副作用  [序論]日本とドイツが先行した「独学ケインジアン」の誕生 [CASE10]高橋是清:世界大恐慌を最初に克服した大蔵大臣 [CASE11]アドルフ・ヒトラ:「悪魔」は大恐慌に勝利したのか? [CASE12]フランクリン・D・ルーズベルト:100日議会で「アクション・ナウ!」 【終章】謎を残す歴史に、何を学ぶか

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