差異と反復 下
河出文庫
ジル・ドゥルーズ / 財津 理
2010年8月3日
河出書房新社
1,595円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
自ら「哲学すること」を試みた最初の書物と語る、ドゥルーズ哲学のすべての起点となった名著。下巻では“理念”、そして強度、潜在性などの核心的主題があきらかにされるとともに、差異の極限における「すべては等しい」「すべては還帰する」の声が鳴り響く。それまでの思考/哲学を根底から転換させる未来の哲学がここにはじまる。
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プラトン転倒の書
プラトンやその後の西洋思想史において、同一なるイデアとその影なる移り変わる現象という枠組みの思考が受け継がれた中、ドゥルーズはこれを完全に転倒しようと試みる。差異が根元にあり、反復という形で同一性(なるもの)が表れるのである。反復は何か同じものを繰り返すのだとしたら、結局同一性に回収されることになる。ドゥルーズは、差異に基づいてのみ語りうる反復がありうるのだということを、ニーチェも手がかりに語ろうと試みる。
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