ニュートンなんかこわくない
力学をつくった数学者たち
太田 浩一
2023年6月13日
共立出版
3,190円(税込)
科学・技術
古典力学がいかにつくられたかを詳述する教養書である。現代ではニュートンの名前しか残っていないが、現代の古典力学はニュートンの力学とはまったく別物であることを、『プリンキピア』や当時の論文、書簡類を読み解くことによって解明する。 フックは、史上初めて力学の概念を把握し、『プリンキピア』の5年前に、現代でも正しい証明によって普遍的に逆二乗則を得ていた。3年後にも同じ考えを述べている。ニュートンは楕円軌道で引力によって曲がる距離を幾何学的に計算し逆二乗則を得たが、逆二乗則から楕円軌道を導けなかった。 ニュートンは、ブリアルドゥスの謬説を借用して、架空の円に跳ね返される力を重力とするというとんでもない間違いをした。万有引力となんの関係もない。当然「ニュートン方程式」も加速度の式さえない。ニュートンは万有引力も「ニュートン方程式」も発見しなかった。力学で最初に解析を使ったのはライブニツであり、現代でも正しい運動方程式を導いた。現代の「ニュートン方程式」が確立したのは『プリンキピア』60年後、オイラーの論文によってで、ガリレイの落下法則をごく自然に拡張したものである。 ニュートンの独占欲によるケンブリッジ数学の1世紀にわたる衰退期ではミチェルとキャヴェンディシュのケンブリッジの外での優れた研究を紹介する。衰退を止めたのはグリーンであり、グリーンから始まる積分定理によってフックの逆二乗則証明の正しさを確認する。
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