社会の起源

動物における群れの意味

ブレインサイエンス・レクチャー 6

菊水 健史 / 市川 眞澄

2019年4月27日

共立出版

3,520円(税込)

科学・技術

本書では,動物が群れて,社会を形成する仕組みをひも解いていく。群れの基本形が家族によることから,オスメスの関係性がどのように成り立つのか,そして生まれた仔をどのように擁護するのか,という観点から個体間の関係を見直し,その関係がいかに集団に発展していくか,という点に着目し解説する。最終的には生物としての「ヒト」の特性にまで言及する。私たちも人間であると同時に,他の動物と同じように,自然の中で共生のしくみを作り出してきた生物学的な「ヒト」でもある。その一部は哺乳類など他の動物と同じ機能を有し,また一部はヒト特異的でもある。私たち人間が「ヒト」として存在してきたことも,「集団」を理解することによって,その一端が解けるだろう。 また,本書では異種間による集団の形成に関しても触れている。異種間の集団としてヒトとイヌを取り上げ,詳しく解説する。 第1章 はじめに 第2章 群れの構成要因 2.1 一夫一妻制 2.2 一夫多妻制 2.3 多夫多妻制 2.4 ヒトの場合 2.5 序列とストレス 2.6 融和行動 第3章 群れの機能 3.1 希釈効果 3.2 富の分配 3.3 不平等をきらう 3.4 絆形成と社会的緩衝作用 3.5 群れに見られる社会情動の起源 第4章 母子間の絆 4.1 アタッチメント行動 4.2 養育行動 4.3 オキシトシンの作用 4.4 オキシトシンを介した3つのポジティブループ 第5章 雌雄の惹かれ合い─フェロモンを中心とした話題 5.1 オス行動 5.2 メス行動 5.3 特定の個体に対する性的嗜好性 5.4 音声による近縁度の認知 5.5 雌雄間の絆形成 第6章 縄張り行動 6.1 マーキング行動 6.2 攻撃性に関わる匂い 6.3 音声 第7章 動物における共感性 7.1 母仔間にみられる共感性の起源 7.2 痛みの情動伝染 7.3 共感性に関わる神経回路 7.4 なぐさめ行動 7.5 援助行動 7.6 ヒトとイヌの共感 7.7 ヒトの特異性 7.8 道徳の起源 7.9 道徳の神経科学 第8章 共に生きる 8.1 ヒトとイヌの共進化 8.2 共生という概念

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