グローバルな正義

宇佐美 誠

2014年10月28日

勁草書房

3,520円(税込)

人文・思想・社会

グローバルな正義への関心が急速に高まってきた。法哲学・政治哲学・経済学の第一線の論者が、欧米の最先端の研究をふまえて、地球規模の正義を多角的に考察。グローバルな生存権・ネットワーク・社会契約・義務の理論的考察から、移民・国際貿易・食料・多国籍企業の分析と提言までをカバーする。 はしがき 1 原理と構想 第1章 グローバルな生存権論[宇佐美誠]  1 主題の設定  2 誰がなぜ生存権をもつか  3 生存権とはいかなる権利か  4 誰がいかなる義務を負うか  5 義務はどのように果たされるか  6 批判への応答  7 結論  [Comment]ナショナルな絆の理論的位置づけを[施光恒] 第2章 グローバルな〈シンボリック・ネットワーク〉[長谷川晃]  1 はじめに  2 正義の構成条件  3 〈シンボリック・ネットワーク〉とその構造  4 〈シンボリック・ネットワーク〉の機能  5 〈シンボリック・ネットワーク〉と正義の正当化  6 おわりに  [Comment]「多様性の要請」と「統合の要請」をいかに両立させうるか[施光恒] 第3章 社会契約モデルの拡張──ロールズからセンへ[後藤玲子]  1 はじめに  2 功利主義的社会厚生モデルとそれに対するロールズの批判  3 ロールズ原初状態モデルの拡張  4 潜在能力指標を用いることの意味  5 ルール制定主体の範囲と情報  6 社会ルールの主体としての個々人に関する非対称的扱い  7 センのグローバル正義構想  8 複数の集団にまたがる個人の自己統合化  9 結びに代えて  [Comment]より現実的なグローバル正義論へ[松元雅和] 第4章 正義の宇宙主義から見た地球の正義[瀧川裕英]  1 正義の射程  2 非関係主義  3 正義の自然義務と消極的義務  4 正義の義務と人道の義務  [Comment]関係主義/非関係主義概念による整序[施光恒] 2 制度と実践 第5章 移民の規制は正当化できるか?[森村進]  1 序  2 自由権  3 民主主義  4 社会の一体性  5 経済的豊かさ  6 配分的正義,とくに平等  7 エコロジー  8 パターナリズム  9 結語  [Comment]自国民/外国人の二重基準を掘り崩す[松元雅和] 第6章 グローバル不正義としての南北間搾取[吉原直毅]  1 問題の所在  2 搾取の概念的定義をめぐる論争  3 拡張されたヘクシャー=オリーン型国際経済環境  4 自由貿易均衡における南北間搾取関係の原理的生成  5 結論  [Comment]搾取理論に基づくグローバル正義観の刷新[松元雅和] 第7章 「食」とグローバルな正義[伊藤恭彦]  1 はじめに  2 グローバル・フードシステム  3 グローバル・フードシステムと正義  4 おわりに──グローバルな正義と食料主権  [Comment]ゼロサムゲームを越えて[桜井徹] 第8章 多国籍企業の政治的責任[神島裕子]  1 はじめに  2 導きの糸としてのロールズの社会的協働論  3 政治的に分断された世界の正義論──フリーマンとミラー  4 多国籍企業の政治的責任  5 おわりに  [Comment]社会契約説とグローバル正義論[桜井徹] 人名索引 事項索引

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