科学で宗教が解明できるか

進化生物学・認知科学に基づく宗教理論の誕生

藤井 修平

2023年1月30日

勁草書房

4,400円(税込)

人文・思想・社会

進化論や認知科学を用いて、宗教についてどこまで明らかにできるのだろうか。科学的宗教理論の歴史と方法、思想的側面を解明する。 21世紀に登場した、進化論や認知科学を用いた宗教理論。本書は、この科学的宗教理論が宗教研究にどのような新展開をもたらし、宗教についてどこまで明らかにすることができたかを、その方法論、成立経緯、批判および思想的役割の分析を通して解明を試みている。本書により、宗教の科学的研究の基礎を知ることができる。 序論 問いと視点、研究方法と先行研究  1 本書の問いと目的  2 理論研究の三つの方向性  3 科学的宗教理論を取り巻く背景  4 現状の問題点とその解決方法 第1章 エリアーデ批判以後の日米宗教学の道程と課題  1 エリアーデ批判の論点  2 エリアーデ批判以後の北米宗教学における論点  3 日本における方法論上の議論の受容とその傾向性  小結 第2章 進化生物学における宗教理論の発展  1 進化的視点とは何か  2 社会生物学の提唱とその批判  3 社会生物学を継承した人間行動研究手法の発展  4 進化生物学的視点に依拠した宗教理論  小結 第3章 宗教認知科学の成立  1 初期のCSR理論──ローソンとマコーリー、ボイヤー、ホワイトハウス  2 初期のCSR理論の共通点──人類学、心理学および認知科学  3 一分野としてのCSRの成立過程  4 理論の総合と共通見解の確立  5 CSRの研究成果と以後の展開  小結 第4章 科学的宗教理論がもたらした論点  1 普遍主義/個別主義  2 説明/解釈・理解  3 還元主義/非還元主義  4 科学的宗教理論の「宗教」概念  5 科学的宗教理論の「科学」概念  6 既存理論との共通性  小結 第5章 科学的宗教理論が内包する反宗教思想  1 科学的宗教理論に依拠する無神論とその批判  2 いかなる点で科学と宗教は対立するか──暴露論証とナチュラリズム  3 宗教的ナチュラリズムの成立  4 宗教的ナチュラリズムの諸側面  小結 第6章 科学と共存する宗教思想  1 神学をめぐる論争の再考  2 科学的宗教理論における科学と宗教の統合  3 宗教に親和的な科学としての効用自然神学  4 科学的宗教理論のもたらす社会的・政治的帰結 結論  1 科学的宗教理論の背景としての知の変動  2 科学的宗教理論の三つの側面における意義  3 科学・宗教・科学と宗教  4 今後の宗教学の可能性 あとがき 用語解説 参考文献 人名索引

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