心理学,認知・行動科学のための反応時間ハンドブック

綾部 早穂 / 井関 龍太 / 熊田 孝恒

2019年9月20日

勁草書房

3,960円(税込)

人文・思想・社会

人を対象とした実験において、反応時間を計測することの意義とは何か。理論的な背景や基礎的事項から、実用的な方法論や応用例まで。 反応時間は、現代の心理学における重要な従属変数であるが、その計測や解析には独自のテクニックや知識が必要であり、また解釈においても、その理論的背景の理解が欠かせない。本書は、初学者から教員や研究者まで、反応時間を扱うすべての人を対象に、研究を行う上で押さえておくべき事項について、その歴史や原理などを解説する。 はじめに 第1章 反応時間とは  1.1 反応時間とは  1.2 基本となる用語と実験課題  1.3 反応時間測定における「構え」 第2章 反応時間研究の歴史と理論  2.1 反応時間研究の始まり  2.2 減算法  2.3 加算要因法  2.4 速さと正確さのトレードオフ  2.5 情報理論  2.6 反応時間のモデル(1):離散的・連続的伝達モデル  2.7 反応時間のモデル(2):連続サンプリングモデル  2.8 課題遂行と意識 第3章 反応時間の計測  3.1 反応時間実験デザインの基礎と留意点  3.2 反応装置  3.3 反応時間計測における装置のタイミング  3.4 ウェブによる反応時間実験  3.5 脳 波  3.6 眼球運動  3.7 リーチング 第4章 反応時間の分析  4.1 反応時間分析の手順  4.2 外れ値の特定とその処理  4.3 代表値とばらつき  4.4 反応時間のグラフによる表現  4.5 変換アプローチ  4.6 反応時間の分散分析  4.7 混合効果モデル  4.8 分位点の利用  4.9 フィッティングアプローチ  4.10 階層ベイズモデリング 第5章 反応時間に影響する要因  5.1 刺激の熟知性と課題の熟達  5.2 疲 労  5.3 脳への薬理作用  5.4 感覚モダリティ  5.5 冗長性信号効果  5.6 反応モダリティ  5.7 試行間効果 第6章 異なる母集団の反応時間の特性  6.1 個人差と個人内変動  6.2 アクション・ビデオゲーム・プレイヤー  6.3 アスリート  6.4 発 達  6.5 加 齢  6.6 発達障害  6.7 精神疾患  6.8 アルツハイマー病,パーキンソン病 第7章 反応時間を用いた主な実験パラダイム  7.1 Go/No-go課題  7.2 計数課題  7.3 メンタルローテーション  7.4 直列反応時間課題  7.5 心的不応期パラダイム  7.6 先行手がかり課題  7.7 視覚探索課題  7.8 連続的運動課題  7.9 プライミング  7.10 干渉課題  7.11 課題切り替えパラダイム  7.12 潜在的連合テスト  7.13 感情・情動に関する課題  7.14 言語に関する課題 おわりに 引用文献 索 引 執筆者紹介 コラム  1 クロノスコープ(測時器)  2 神経伝導速度  3 マジカルナンバー30  4 試行数と検出力  5 研究間での比較の難しさ(1)──現代人は反応時間が長いか  6 研究間での比較の難しさ(2)──計測装置の違いは単純反応時間を左右する  7 研究間での比較の難しさ(3)──相対的比較がもたらす一般性  8 松本亦太郎  9 全身反応時間  10 グリニッジ天文台事件(1)  11 グリニッジ天文台事件(2)

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