懐疑主義の勧め

信頼せよ、されど検証せよ

ピッパ・ノリス / 山崎 聖子

2023年10月31日

勁草書房

4,950円(税込)

人文・思想・社会

ヨーロッパ価値観研究と世界価値観調査に基づき、過度な冷笑主義にもやみくもな軽信性にも陥らない懐疑的信頼の重要性を示す。 社会的不寛容の深刻化、政党間の対立の激化、ポピュリズムの台頭、民主主義の後退に対する反省をきっかけに、信頼のあり方への懸念が高まっている。本書は、現代社会理論の規範的見解に挑戦するとともに、世界中の多様な社会から得たエビデンスを提示することで、信頼と信頼性という現象を新たな視点から見直し、その原動力に迫る。 【原著】Pippa Norris, In Praise of Skepticism: Trust but Verify(Oxford University Press, 2022) 序文と謝辞 第1部 はじめに 第1章 信頼の二面性  I 判断の類型  II 懐疑的な信頼性判断  III 本書の構成 第2章 懐疑的信頼の一般理論  I 信頼の起源に関する議論  II 懐疑的信頼の理論  III 媒介条件 第3章 エビデンス  I 信頼の理解に向けた各種手法  II 信憑性の検証  III 結論 第2部 何が信頼を生み出すのか 第4章 世界的な信頼動向の比較  I 信頼動向に関する議論  II 世界的な信頼動向・パターンに関するエビデンス比較  III 信頼に関係する社会人口統計学的属性  IV 結論 第5章 有能性  I 信頼と信頼性に関するパフォーマンス理論  II 信頼と家計状況  III 政府の有能性と信頼性  IV 結論と考察 第6章 清廉性と公平性  I エージェンシーの説明責任はなぜ重要なのか  II 政府の質についての主観的認識と信頼  III 信頼に値する統治についての客観的指標  IV 軽信的信頼と冷笑的不信はなぜ問題なのか:コロナ禍の事例  V 結論と考察 第3部 結論 第7章 懐疑主義の勧め  I 信頼の恩恵に関する従来の見解  II 概念的・理論的枠組みの修正  III 実証的発見  IV 自由民主主義への含意 注釈 訳者あとがき 参考文献 索引

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