冷戦終焉20年

何が、どのようにして終わったのか

塩川 伸明

2010年6月9日

勁草書房

3,080円(税込)

人文・思想・社会

バランスのとれた現代世界論のために。社会主義後退の事実は、欧米諸国・日本・開発途上国などにおける最近の社会変動の構成要素だ。 現代世界論の試み。社会主義をどのように価値的に評価するか──それを擁護したり、再興を目指したりするかどうか──ということとは別次元の問題がたしかに存在する。歴史的な事実として無視できない現実的重みをもったこと、そしてその後におけるその重みの急速な低落。それらはこの間の世界全体の転換の構成要素をなしているのだ。 はしがき 1 問題の所在 2 何が終わったのか  1 はじめにーー「現存した社会主義」を見る眼  2 目指されたものとその帰結  3 幻滅の要因をどう理解するか  4 矛盾をかかえながらの存続  5 「社会主義改革」論の歴史 3 どのようにして終わったのか  1 巨視的な必然性と具体的過程の偶発性ーー長期・中期・短期の視点  2 ペレストロイカーー体制内改革の試みから体制転換へ  3 《冷戦終焉》再考ーー冷戦の二通りの終わり方  4 軟着陸の試みから崩落へ 4 「その後」--どのような変化が進行しているのか  1 さまざまな種類の「自由主義」  2 市場経済化の期待と現実ーー「現存した社会主義」から「現存する資本主義」へ  3 リベラル・デモクラシーの制度的導入とその権威主義的運用  4 冷戦終焉後の世界秩序再編成 5 結びに代えて 注 あとがき 索引 コラム 1 社会主義・共産主義・「現存する/現存した社会主義」 2 社会主義圏における大衆反乱 3 一九五六年スターリン批判の影響 4 一九六八年のチェコスロヴァキアとハンガリー 5 NATOの東方拡大ーー一九九〇年とその後 6 ゴルバチョフ支持率の変化 7 ソ連政権vsロシア政権 8 さまざまな三元論の系譜 9 「オリガルヒ」と「担保入札」方式 10 現代ロシアの政党制 11 「カラー革命」をめぐる論争 12 「新冷戦」/「新しい冷戦」

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